ホンダは、GMとの無人タクシー運行の日本導入という自動運転時代への布石を打つと同時に、今月28日から開催(一般公開)する「ジャパンモビリティショー2023」を前に、三部体制において進めてきた“提携活用戦略”を具現化させている。
ホンダと三菱商事は12日、EVの電池を使用した電力の需給調整に共同で乗り出すと発表した。三菱商事と連携して、EVを活用した電力インフラ事業への参入を決めたのだ。
電力会社の送電網に複数のEVを繋ぎ、余った電力をためる蓄電池としてEVを活用する。再生可能エネルギーの需給を調整するのが目的だ。両者は、EVに関連する新事業の創出に向けた協議を始め、24年にも共同出資会社を設立する調整に入っている。
両社は、共同事業の第1弾として、24年春に発売するホンダの軽商用EVに搭載する電池を再生可能エネルギーの電気をためる蓄電所向けに転用する。さらに、国の規制緩和が見込まれる26年度にはEVを充電に使えるようにする計画だ。
ホンダは、ここへ来てEVインフラでの連携を一気に強化している。23年7月には、独BMWグループやGMなどと北米のEV充電網整備での連携を発表している。また、9月には北米での急速充電規格でテスラ方式を採用することを発表。BMWグループや米フォード・モーターと電力に関する情報基盤を北米で構築する合弁会社を設立すると発表した。
そして、今回の三菱商事とのEV普及に向けた協業発表である。
加えて、いすゞ自動車とホンダが共同開発を進めているFC(燃料電池)大型トラック「GIGA FUEL CELL」が「ジャパンモビリティショー2023」で初めて一般公開されることも発表された。