忘れがちな「院外処方された薬」
入院代と合わせて世帯合算が可能
●ケース2
入院して病院で高額療養費が適用されたが、薬局で薬代も支払った!
⇒ 薬局に支払った薬代は金額にかかわらず世帯合算を!
院外処方された薬は、治療の一環として薬が投与されたものと見なされる。そのため、その病気の治療で病院に支払った医療費と薬局での薬代は、合算して高額療養費の計算ができる。
ケース1で見たように、70歳未満の人で世帯合算できるのは、自己負担額が2万1000円を超えた場合だ。だが、薬代には、この縛りはなく、金額に関係なく合算できることになる。
Bさん(40歳・会社員)は、内臓疾患の治療で入院し、同じ月に院外処方された薬を薬局で購入した。入院にかかった医療費は30万円、その病気の治療のために医師から処方された薬は5万円だった(健康保険適用前の金額)。
月収25万円のBさんの高額療養費の自己負担限度額は、【図1の(エ)】なので5万7600円だ。
病院の窓口では限度額適用認定証を提示して、高額療養費の限度額である5万7600円を支払い、薬局では薬代5万円の3割である1万5000円を支払った。そのため、Bさんは、1カ月に合計7万2600円を自己負担していた。
だが、1カ月の間に、同じ病気の治療のために院外処方してもらった薬は、高額療養費を計算するときの合算対象になる。そのため、Bさんが、本来、自己負担すべき医療費の上限額は5万7600円なので、健康保険組合に申請すると、1万5000円の還付を受けられるのだ。
薬局での薬代は見落としがちだが、忘れずに合算するようにしたい。