「強いて最も推奨できる選択肢を挙げるなら、遠近両用眼鏡がベストだと個人的には考えています。しかし、人によって視線や首の動かし方に癖があり、左右の目の位置のズレなども精密に計測する必要があり、それを万全にこなせる眼科や眼鏡店はまだまだ少ないのが実情です」
なかには仕事の都合などで、眼鏡を避けたい人もいるだろう。その場合はコンタクトレンズもやむなしだが、このあたりは自分に合った対処法をしっかり見極める必要がありそうだ。
アメリカで発表されている
“VDT症候群”対策
明確な解決策が見つからないことに軽い絶望感を覚えてしまうが、せめて老眼の進行を現状で食い止めたり、遅らせたりることはできないのだろうか。
「VDT症候群が目の調節機能を妨げるとして、厚生労働省が労働衛生管理のためのガイドラインをまとめています。VDT症候群とはVisual Display Terminals(パソコンなどディスプレイに付随する装置)を利用した長時間の作業が原因で起きる心身の不具合のことで、当然、老眼の症状を進める影響もあると考えられます」
パソコンやスマホ、タブレットはもはや生活必需品。現代人にとって、これらを日常から排除するのは至難の業だが、VDT症候群が悪化すると眼精疲労の回復が遅れたり、ドライアイや結膜の充血に繋がることもあるというから注意が必要だ。
厚労省のガイドラインでは、パソコンに向かって作業をするにあたり、次の点に注意すべきだとしている(※一部抜粋)。