【問題の都バス路線その2】
乗客数はトップ!でも2024年問題が直撃か
「王40」池袋駅東口~西新井駅前

都営バス「深刻問題」抱える5路線の名前、看板路線なのに大赤字のナゼ西新井大師前バス停に停車中の「王40」バス Photo by Wataya Miyatake

「王40」系統は、東武伊勢崎線の西新井駅から荒川と隅田川を渡り、王子駅と池袋駅に乗り入れる。途中にはバスでしか行けない「豊島五丁目団地」などの宅地もあり、1日の乗客数は2万0581人と、都バス全127路線中トップである。

 にもかかわらず王40は、営業係数が「96」と採算ラインの瀬戸際にある。なぜかというと、所要時間が1時間近くかかる上に、全線を乗り通す乗客が多く(都営バスは乗り通しても運賃は一律210円)、稼げる王道条件である「短距離利用が多く、乗客が入れ替わる」とは真逆の状態だからだ。

 さらに、「2024年問題」も待ち構えている。24年4月から労働規制が強化され、バスの運転手の年間労働時間の上限が引き下げられる。また、退勤から次の出勤までの休息時間は今より長くなる。こうした働き方改革に対応するためには、「朝晩出勤、昼間は休憩」の勤務シフトに11時間の休憩が必要となる。距離の長い王40のような路線は、1往復で2~3時間は運転手が拘束されるので、運転手の確保はさらに困難になることが予想される。