ビジネスパーソンにお勧めの
クリエイティブツール活用術

 一般のビジネスパーソンがアドビ製品を活用してクリエイティビティを発揮するなら、やはりまずはウェブベースのFireflyとExpressを使ってもらうのが近道でしょう。画像生成AIには、ChatGPTでも使えるようになった「DALL-E」もありますが、加工など、いろいろときめ細かい調整ができるのがFireflyの特徴。ぜひ一度、両方の生成AIを試してもらいたいところです。

 FireflyやExpressの生成AI機能は、無料でもある程度まで利用できます。ただ、月に利用できるアクションの数が制限されています。この割り当てを「生成クレジット」と呼び、毎月の無料割り当て分は25クレジット。現時点では1クレジットにつき、1回の画像生成や生成塗りつぶし、再配色などのアクションが行えます(2023年11月現在)。FireflyやExpressのプレミアムプラン、Creative Cloud、Adobe Stockなどの有料プラン利用者にはそれぞれのプランに合わせて、生成クレジットが毎月さらに割り当てられます(2023年11月時点では、Creative Cloud、Firefly、Express、Adobe Stockの有料プラン利用者は、期間限定で生成クレジットの制限を受けずに利用できます)。

 お勧めの活用術は、スライドや文書に挿入する図の生成です。今まで「いらすとや」の素材を使ってきたビジネスパーソンも多いと思いますが、あのテイストに合う資料ばかりではなかったはず。FireflyはAdobe Stockのデータを利用して生成モデルの学習が行われているので、著作権や商標などの権利関係をクリアした生成画像をビジネスで安心して利用できます。

 また、SNSへの投稿画像・動画やチラシ制作にExpressを活用するのもお勧めです。InstagramやTikTokなどSNSへの投稿や動画は今、マーケティングの上で非常に重要になっています。Adobe MAXの講演でも、マーケティング素材として短尺のビデオが大変注目を浴びている状況について、「Video is eating the world」(ビデオが世界を飲み込んでいる)といわれていました。そうした動画を簡単に制作・編集するにも、Expressを利用するといいと思います。