アカウントのIDを変えると、フォロワーが10分の1ぐらいになるのが普通だと思うのですが、退職後6カ月でむしろ増えている。すごいです。
後藤 旧アカウントのフォロワー37万人のうち、30万人ぐらいはこの1年間にフォローしてくれた方たちでした。アクティブでコアな方が多かったから、4月時点でもフォロワーがそれほど減らなかったのかもしれないですね。
私は退職後すぐにYouTubeを始め、今はTwitter、noteと3本柱で発信しています。ほかにも、TikTokやInstagramをサテライトのように位置づけて使っています。
──複数のSNSやメディアを組み合わせて発信しているわけですね。
後藤 各SNSで住人の属性が異なりますし、比較的世代が高めの方が対象となるテレビなども含め、できるだけいろいろなところに軸足を置いて、リーチを広げたいと思っています。
──後藤さんがはじめて配信したYouTubeはこれです。
後藤 実はこれ、PowerPointでつくっています。15分の動画であれば、だいたい1時間でできますね。マーケットの話は半日で鮮度が落ちてしまうことがあるので、多少映像が粗くてもスピード重視でやっています。
“自分らしさ”が大事に
古川 YouTubeを始めるときに人気のYouTuberのまねをしようとする人が多いのですが、後藤さんはまったく違っていて。バリバリに自分の専門分野について話して、しかも映像にはこだわらない。
当時、YouTubeでこういう専門的な話をする人はまだあまり多くはありませんでした。ひとつの成功例としてヒントが多いなと思います。
──PowerPointのアニメーションと声だけで、人の役に立つ情報を配信する。僕らが従来思っていたYouTubeの世界とは違うアプローチをした結果、後藤さんが新しい視聴者をYouTubeに連れてきた可能性はありますよね。
古川 そうですね。確かに配信のノウハウを学ぶのは大事なんだけれど、自分に合わないものをやるとデッドコピー(ただの模倣品)になってしまいます。
──自分らしさのほうが大事だということですね。
古川 ここ2、3年で、そういう傾向がより強くなっているような気がしますね。
求められるのはアテンションより“信頼性”
後藤 私は今、noteのサブスクリプション「メンバーシップ」を運営しています。通常の記事とは別に、月500円または980円をお支払いいただいたメンバーだけが見られる、限定記事をお届けしています(980円のコアメンバープランは現在募集を停止中)。