インフォメーションからオピニオン、ダイアリーへ
──最後に、これからクリエイターエコノミーに参入したいと考えている個人の方に対して、何から始めればいいかアドバイスをお願いします。
古川 以前noteにもまとめたのですが、まずはインフォメーションを書くことをおすすめします。インフォメーションとは、自分しかもっていないとか、みんなが知りたいと思っている情報のこと。
ある程度フォロワーが集まったら、次にオピニオンを書く。さらに人気が出たらダイアリーを書くとよいでしょう。
後藤 けんすうさんの今の話は、前々から参考にさせていただいていたんですよ。日経時代から、Twitterはインフォメーションを意識して「なるべく中立でさらっとした情報提供」に徹底するようにしていました。
私は、Twitterから始めるのがいいと思います。拡散力が高く、始めやすいので。あとはInstagramと、今ならTikTokでしょうか。TikTokはYouTubeより動画づくりの障壁が低いですし、一気に爆発する可能性もありますので。
──メディアや企業ではなく、個人でできる発信の強みとはなんだと思いますか。
後藤 組織内調整がまったく必要なく、どんなプラットフォームでも自由に使えることですね。
たとえばTikTokをやってみて、失敗したなと思ったらすぐにやめたっていい。試行錯誤がすごく高速回転でできるのが強みだと思います。
──アルでは、けんすうさんの個人としての発言をアル開発室で発信していくことによって、そのスピード感に乗れているわけですね。
でも実は企業もメディアも、組織は個人の集合体。ですから、とくに今、独立を考えていない方でも、クリエイターエコノミーの考え方を皆さんの中に取りいれて、今後の社内外の活動に役立てていただければうれしく思います。
古川健介(けんすう)氏(アル代表取締役)
浪人時代に受験情報掲示板「ミルクカフェ」を開設。その後、学生時代に掲示板システム「したらばJBBS」を運用するメディアクリップの社長に就任。同システムはのちにライブドア社に売却。新卒でリクルートに入社。同社在職中の2007年にロケットスタート社(2012年にnanapiに社名変更)を起業し、2009年にはnanapiをローンチ。2014年にnanapiをKDDIへM&Aし、翌2015年にKDDI傘下に設立されたSupership社の取締役に就任する。2018年より現職。クリエイター向けサービスを手掛ける。
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