Y2Kファッションしかり、ここまでギャル文化が再流行しているのは単に文化の消費とは考えにくく、ギャルのマインド通称”マインドギャル”がZ世代の間で浸透されてきているように私は感じます。明るくポジティブで自分らしさを大切にするギャルは、Z世代の価値観に響いており、暗い世の中で生き抜くためのマインドとしての憧れと尊敬の意も反映されているのではないでしょうか。

#スポーツMIX、#ジョガーパンツ、#スマホショルダー、#ダウンベスト

Y2Kファッションに並んで人気となったのが「スポーツMIX」というファッションです。代表的なのは、スウェット素材でジョギング時に履くとされるジョガーパンツや、スマホケースに付随したヒモを肩から下げるスマホショルダーなど、気軽に着用できるアイテムが人気となっているのが特徴的です。

これらのアイテムが流行した背景には、 頑張りすぎずにオシャレしたいというZ世代の新しい価値観「エフォートレス」があると思います。自分らしさを追求しすぎるあまり、自分の身にまとうモノに気を配りすぎたZ世代ならではの疲れもあり、オシャレはしたいけど頑張りすぎない、という考え方が広がっているように感じています。

#推し活、#本人不在の誕生日会

自分が好きな推しメンバーを応援する活動は昔から「ヲタ活」という呼び方で広まってはいましたが、2022年は新たに「推し活」というワードを多く耳にしたのではないでしょうか。Z世代にとっての推し活は単に推しメンバーを応援する活動にとどまらず、自分のアイデンティティーを形成するツールとしても捉えられると考えています。

かつてのヲタ活は、少し恥ずかしさもあってか公にせず活動することが多かったのに対し、現在は“〇〇推し”をオープンにし、それによって個を表現しているのです。

また、Z世代にとって推し活は生きがいにもなっており、推し活のために学業や仕事を頑張るなど、モチベーションの源泉にもなっています。中にはホテルの1室を借りて「ホカンス(ホテル×バカンス)」も兼ねて、推しの誕生日を祝う「本人不在の誕生日会」というものをやっている人も多く見られました。Z世代はあまりお金をかけない倹約家である見られ方をされることもありますが、推し活には大きなお金を使うことをいとわないのも特徴です。

#ヤクルト1000

2022年のバズフードとなった「ヤクルト1000」は、一時入手困難となる人気ぶりでした。ヤクルト1000は「睡眠の質を改善できる」という口コミとともに、Twitter上でバズったことで一気に注目を集めました。これまでのバズフードはタピオカやマリトッツォなど見た目が特徴的であったのに対し、今回は健康志向の商品に注目が集まったことが変化でもあります。コロナ禍を経て自分の身体や健康に向き合い、無理をせず積極的に休養をとるといったZ世代の健康意識の上昇が伺えました。