どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年#20Photo:JIJI

資源高などを背景に、空前の好業績となった大手総合商社の2023年3月期決算。その中でも、純利益で1兆1806億円をたたき出した三菱商事は別格だ。同社の中で年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?特集『どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年』の#20では、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクの推移を初試算。三菱商事は若手が優勢であることが判明したが、その一方、割を食っている世代は?(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

年間賞与が1000万円を軽く超す
30代の年収2000万円課長が続出

 平均年収が1000万円を軽く超す商社の好待遇ぶりは有名で、就職の人気企業ランキングでも上位の常連。その中でも、別格の高給とブランド力を誇るのが、大手総合商社トップの三菱商事だ。

 2023年3月期は資源バブルによる好業績で、純利益が初めて1兆円を突破。「22年は賞与の業績連動部分が大きく増加し、年間賞与額が1000万円を軽く超えた」(三菱商事の中堅社員)と景気のいい声が聞かれた。

 同社は資源バブル前の水準でも、20代後半で年収1000万円に手が届く。さらに海外駐在となれば、海外勤務手当や家賃補助などさまざまな手当が加算され、年収は1.5倍近くになる。

 22年の年収が2000万円に達したという30代社員は「毎月の基本給の年額が700万円弱で、賞与が1300万円超」と、その内訳を明かした。賞与の全社業績連動分は同期では同額のため、社内で30代の年収2000万円課長が続出したそうだ。

 そんな三菱商事の中で、年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?ダイヤモンド編集部は、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクの推移を初試算した。

 2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本企業の中での序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。

 試算の結果、三菱商事は若手が勝ち組であることが判明したが、その一方、割を食っている世代は?また、専門家による5年後の予測年収の試算も掲載した。次ページで確認しよう。