私人逮捕系YouTuberの問題は
軽犯罪法や職質にまで飛び火する?
他にも、『こち亀』の作者である秋本治氏はこの職務質問の話がお気に入りなのか、違うエピソードでも登場させている。単行本19巻の『両津大明神!?の巻』である。
両津が仕事をせずに、どんな選択をしても不幸な未来が来ることを告げられる占いをつくっていたところ、上司の大原にそれをとがめられる。「勉強しろ」と説教を食らい、「勉強してます」と答える両津。それではと警察官の職務に関する質問を出されるシーンだ。
大原「通行中の車を止める警察官の行為にはどういう法的根拠がある?しってるだけいってみろ!」
両津「そ…それは…警職法道交法などの法律で警察官の気分で車を止める場合につき規定されています。つまり憲法の言う国民の文化的生活が守られるようまた刑法の犯罪予防という…」
大原「職務質問の法的根拠を200字以内で述べよ!さあいってみろ」
両津「そ…それは昭和31年改正法つまり…その司法職員の職務質問に関する法律により職質の3原則が定められていて…気に入らないやつ、素直でないやつ…」
大原「どうもデタラメな知識ばかりだ…」
両津の適当発言(本人は真剣だが)によるギャグのオチがさえわたるが、両津が言うようにその時の気分で警察官が何でもできるなんてことが実際に許されていたら笑えない。「私人」であれば、なおさらだ。
私人逮捕系YouTuberの問題は、軽犯罪法や職務質問にまで広がる大きな課題といえるだろう。