薬剤師になりたくて6年制の薬学部に入ったのに、薬剤師国家試験に合格できないどころか、受験することすらかなわない学生は決して少なくない。国試受験にたどり着くまでには、薬学部在学中に実務実習と卒業試験をパスする必要がある。その第一の壁である実務実習を6年次までに修了できなかった学生の割合が高いのはどの大学か。特集『新・理系エリート』(全59回)の#29では、2017年度入学者における全国74薬学部の「実習修了率」ワーストランキングを作成した。( ダイヤモンド編集部 野村聖子)
国試はおろか卒業試験にすら至らない
「実習修了率」ワーストランキング
6年制薬学部の存在意義は、薬剤師を養成し、世に供給することだ。当然、薬剤師国家試験に合格することを目指して学生は入学してくる。それにもかかわらず、国試合格はおろか、受験するにも至らない学生が決して少なくないのが、日本の薬学部の実態だ。
薬剤師国家試験を受験するための要件は、6年制薬学部の卒業。それに至るためには大きな二つの壁が存在する。一つ目が病院や薬局など現場での「実務実習」の修了、そして二つ目が「卒業試験」の合格である。
では、第一の壁である実務実習すら修了できない学生が多い大学はどこか。
次ページでは、全国74薬学部における2017年度入学者の6年次までの「実習修了率」ワーストランキングを公開する。