優秀な学生が集まる難関大学で薬剤師国家試験の結果が良いのは当たり前。では、入試は易しいのに薬剤師国家試験合格率が高くて、さらには学費が安いのはどこか。コスパ最低はどこか。特集『選ばれるクスリ』(全36回)の#20では、“お得”な薬学部を格付けした。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)
入試は易しいのに国試合格率が高く
さらに学費も安い薬学部は?
薬剤師国家試験の合格率は下降の一途だ。2012年は88.3%だったが、10年後の22年は68.0%と20%以上も下がり、特に私立大学では5割を切っている大学も複数ある始末だ。
6年制薬学部は、薬剤師を世に送るのが最大の使命であり、学生も自らのなりわいを薬剤師と定めて入学してくる。それにもかかわらず、6年間通って薬剤師になれなくては意味がない。そのため薬学部入試の際は、偏差値だけではなく国試合格率も重視した大学選びが肝要なのは言うまでもない。
しかし、国試合格率が高い大学は優秀な学生が集まってきているからこその結果であり、入試も決して易しくはない傾向がある。そんな中でも、入りやすい割に国試合格率が高い大学はないのだろうか。さらに私立大を選ぶなら学費の観点も欠かせない。
そこで入試の偏差値、国試合格率、学費の3指標で、入学時の学力が低い学生を国試合格まで導く面倒見の良さと、学費の安さを兼ね備えた“お得”な薬学部を格付けした。