どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年#29Photo:Bloomberg/gettyimages

今回は化学セクターの主要企業、花王、富士フイルムホールディングス、資生堂を取り上げる。3社の中でそれぞれ年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?特集『どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年』の#29では、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクを初試算した。花王、資生堂はシニアが優勢であることが判明したが、その一方、富士フイルムは?このほか専門家による5年後の平均年収予想も掲載する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

業績の低迷が続く花王、資生堂
一方、絶好調の富士フイルム、それぞれの世代別年収は?

 長年、世界的な優良企業として評価されてきた花王の業績がさえない。2023年12月期の純利益は前期比52.3%減の410億円にとどまる見通しで、5年連続で減益決算となりそうだ。

 中国事業を強化してきた資生堂も苦境に立たされている。11月半ばに業績予想の下方修正を発表すると、中国での化粧品販売の落ち込みに懸念が広がり、株価は急落してストップ安に。

 両社とも化学セクターを代表する有力企業だが、投資家からの評価は低い。時価総額は5年前比で、花王が34.7%減、資生堂が36.4%減の体たらくだ。

 一方、同じ化学セクターに属する富士フイルムホールディングス(HD)は、この間、64.9%も時価総額を増加させている(詳細は次ページ参照)。業績も絶好調で、24年3月期の純利益見通しは2250億円と過去最高を見込んでいる。

 今回は花王、富士フイルムHD、資生堂を取り上げる。3社の中でそれぞれ、年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?ダイヤモンド編集部は、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクの推移を初試算した。

 2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本企業の中での序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。

 試算の結果、花王、資生堂はシニアが優勢であることが判明したが、その一方、富士フイルムHDは?また、専門家による5年後の予測年収の試算も併せて掲載した。次ページで確認しよう。