赤ワインの「ボディ」とは?
白ワインの味わいはどう表すか 

一流ソムリエは見ている「ワインのNGマナー」、デキる客は絶対にしない伊東賢児さん シェ・イノ社長兼ソムリエ

 ボディとは赤ワインの味わいを表す言葉で、フルボディはコクがあり力強く、渋みや重みがある。反対に軽くさらっと飲めるのがライトボディ。中間がミディアムボディである。赤ワイン独特の表現で、白ワインやロゼワインでは、スッキリ・コクがあるや、辛口・甘口などと使う。

「肉でも鳥や豚など、焼いて白くなるものは白ワインも合います。ロゼは白身の肉や魚に合いますが、意外に中華にも合いますよ」

 ピンク色の「ロゼワイン」は、21世紀に入って世界的に人気が高まっている。ピンク色といっても、赤ワインと白ワインを混ぜて作るのではない。ヨーロッパでは赤ワインと白ワインを混ぜてロゼにすることは原則禁止されていて、大きく次の二つの製造法がある。

 一つは、赤ワイン製造の過程で、ブドウの皮から赤色が抽出されている途中、色が薄いうちに果汁だけを抜き取り、発酵させる方法。もう一つは、赤ワイン用のブドウを皮ごとゆっくりプレスして色がついた果汁を発酵させる。

 そして、スパークリングワインだけは赤と白をまぜてもよいことになっていて、1次発酵が終わったあとの赤ワインと白ワインをブレンドし、炭酸ガスが発生する2次発酵を行う。

 ちなみに、スパークリングワインの中でも、フランス・シャンパーニュ地方内でつくられたものだけを「シャンパーニュ」と呼ぶことができる。

 シャンパーニュを注いだグラスの中では、細かい泡が下から上に昇り続けるが、これをフランスでは「永遠に幸せが生まれ続けているんだよ」と表現する。ロマンチックなワインでもある。

「シャンパーニュは一般的に魚介系に合いますが、特別な飲み物ですので、料理の相性で選ぶというワインではありませんね」

 フランスレストランではコース料理が一般的であり、正式なフルコースは①アミューズ(突き出し)→②オードブル(前菜)→③ポタージュ→④魚料理→⑤アントレ(第一肉料理)→⑥氷菓子→⑦ロティ(肉料理メイン)→⑧野菜料理(ロティの付け合わせとなることが多い)→⑨チーズ→⑩デザート→⑪コーヒー、となる。しかし通常は、肉は1回であるなど省略されていることが多い。

 そして魚料理にはこれ、肉料理にはこれというようにおすすめのワインがグラスで用意されているので、少人数の場合はそれを選ぶとよいだろう。シェ・イノのようにア・ラ・カルト(一品料理)が注文できる店では、ワイン好きであれば先に飲みたいワインを選んで、それに合う料理を出してもらうことも可能だ。