ワインを選ぶとき、
ソムリエに相談するコツは?
ワインボトル1本はグラス6杯ほどになる。人数が多かったり、酒に自信があれば、いつもより上等なボトルワインに挑戦したいものだ。しかし、いざワインリストを見ても、ワイン名がずらりと並ぶ中から選ぶのは難しい。このときソムリエに相談するにはコツがある。
「さわやか、甘くない、酸味や渋みが苦手など、具体的におっしゃっていただけるとよいですね。ふだん飲んでいるワインでお好きなワインがあればお伝えください。お客様のお好みに合ったワインをおすすめいたします。カベルネ・ソーヴィニヨンなどブドウの品種、あるいはコート・デュ・ローヌなど地域名など、さらにボルドーの『シャトー〇〇』など具体的なワイン名までわかれば、よりお好みがわかります。この前、これを飲んでおいしかったと、エチケット(ラベル)の写真をお見せいただくと理想的です」
飲んだワインが気に入ったら産地やブドウの品種などを尋ねて、自分のお気に入りリストに加えると、次に飲むときの参考になる。
一流シェフの美しくおいしい料理と香り高いワインの食事を堪能したら、デザートワインや蒸留酒で食事を締める「ディジェスティフ(食後酒)」がある。
「アペリティフは飲む方が多いですが、食後酒は飲まない方も多いですね。無理に召し上がらなくてもよいと思います」
飲み足りなければ、バーなどに場所を変えるほうがスマートである。
ワインは好きだが、あまりお酒に強くない。あるいは、商談などで酔いたくないというときもある。そういうときに、飲み方のコツはあるだろうか。
「グラスワインでしたら、半分の量でお出しすることもできます。ノンアルコールのスパークリングワイン、白ワイン、赤ワインもございます。また飲み方としては、水をひんぱんに飲むことをおすすめします。ワインの量よりも多くの水を飲むようにすればよいでしょう」
その他にワインを飲むときのマナーとしては、自分で注がないようにしたい。
「フォーマルな場では、給仕人についでもらいます。グラスが空いたら軽く合図をすれば、給仕人がきます。通常は、もちろんグラスが空く前にサーブいたしますが(笑)」
その場合、グラスは手で持たず、テーブルに置いたままにする。そして、ワイングラスのふちにも気をくばりたい。口についた料理の油でどうしてもグラスのふちが汚れてしまうことがある。
「気づいたら、さりげなく指先で拭うときれいになります。グラスを手に持ってナプキンのはじでさっと拭いてもよいです。乾燥すると取れにくくなりますから、気づいたらさっと拭いましょう」
あまり考えたくないが、ワインをこぼしてしまったり、グラスを倒してしまったらどうしたらよいだろう。
「まず、同席の方を『大丈夫ですか』と、ワインがかかっていないか気遣いましょう。そして、店の人を呼んで片付けてもらいます」
自分のことより、まず相手のことを気遣うことは、レストランだけでなく人生のさまざまな場面で必要となる大人のマナーである。