「過去の嫌なことを忘れたくありませんか?」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)
嫌なことを思い出してしまう
あなたは、過去にあった恥ずかしいことを思い出したりしませんか?
ミスしてしまったことを何度も思い出したり、いまだに夢を見てしまうことがあるかもしれません。
どうすれば、そのようなことを忘れることができるのでしょうか。
「影響力」を弱めよう
まずは、過去に起こったこと、トラウマとなった出来事そのものを変えることはできません。
そのことをちゃんと認識しましょう。
そして、あなたが「いま」感じている羞恥心や自責感を減らしていくことです。
目を背けたくなるような過去ほど、強く意識してしまうために忘れられなくなってしまうでしょう。
ですが、「過去がいまに与えてくる影響力」は減らすことはできます。
すぐに「いま」に切り替えるようにしよう
過去のトラウマとなった記憶が、いまのあなたに与えてくる影響の大きさは、「あなたの感受性」によって左右されます。
感受性は、心理的に追い詰められたり、慢性的なストレスを感じているときに敏感になりがちです。
余裕がなかったり、疲れているときに、より過去のことを思い出してしまうのです。
なので、過去のことが頭に浮かんだ瞬間に、目線をいまの「時間の使い方」や「疲れの対処」に切り替えることが大事です。
いま、あなたが感じている心理的な余裕のことを考えましょう。
日常生活で生じているストレスを抑えたり、生活習慣を整えて睡眠時間をきちんと取るようにしたり、交友関係を広げていろいろな人の失敗談や間違いを聞いて共感を得るなど、いろいろな方法が考えられます。
なので、あなたにとってよりよい方法で影響を減らしていくことで、徐々に嫌な記憶のことは忘れていけるでしょう。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医。
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。