「『どうしても親が許せない』と思うことはありませんか?」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)
「親との関係」に困る人
あなたは「親が許せない」という考えを持っていますか?
それはおかしいことなのでしょうか。
親との関係に困っている人に向けて、アドバイスを語っておきましょう。
理解してもらいたい存在
先に結論を言っておくと、「親が許せない」と思うことは、まったくおかしいことではありません。
というのも、子どもは、無条件に親に対して「愛情」を欲するものだからです。
そして、「つながり」を持とうとするものでもあります。
特に多感なときには、「つらくて苦しい」という感情を理解してもらいたいと思うものです。
無理に許す必要はない
しかし、そんな時期に、
「話を聞いてもらえない」
「助けてもらえない」
という経験をすると、他人への不信感や警戒心、愛着形成の障害になりうることがあります。
それが大人になっても残り続けてしまうので、たとえ「血がつながっている親」であっても、「許せない」という気持ちを持ち続けてしまうんですよね。
だから、それ自体はおかしなことではありません。
ここで大事なのは、そんなネガティブな感情のせいであなたが「苦痛を感じる」「人生を振り回される」ということがあるかどうかです。
それがあるなら、それはとても悲しいことです。
もし、その苦しみがあり、「許せない」という思いが強すぎる場合は、無理にその感情と向き合う必要はありません。
「両親とは適度な距離感を保ちながら、あなたはあなたらしく生きる」
ということを優先させられれば、それでいいのです。
無理に「許さないといけない」と思い込む必要はありません。
ぜひ、そのことを覚えておきてください。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』より一部を抜粋・編集したものです)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医。
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。