TBSの記事によれば、北九州市の成人式で見られていたケンカや酒盛りが「今年は変化している」と伝えられている。地元の人の話によれば、族車(派手さを求めて違法改造された車など)による暴走行為も激減しているそうである。
【参考記事URL】
https://news.yahoo.co.jp/articles/5e29c25e210559c48b4ff65769836feff7c020ce
当日、実際行われることといえば、派手な衣装の「それ系」の新成人が式典には参加せず、会場の建物外に集まって和気あいあいとし、そのうち運動会の応援団のような声出し合戦が始まって、やがて散会するらしい。
総額で数十万円する衣装代やヘアセット代は、バイトや仕事で前もってコツコツ貯める(「貸衣装は無料」なる流言に踊らされて、代金を踏み倒そうとする利用者と貸衣装屋に訴訟が起きたりもしているそうであるが)。いざ晴れの日を迎えた新成人は、その日だけ盛大に騒ぐと、それをケジメとして翌日から真面目な日常に戻っていく……と伝えられている。
「荒れる成人式」を変えた
地元貸衣装店の世界的な評価
北九州市の成人式が今年は荒れず、「新たなポップカルチャーの誕生か」とまで目されるようになったのには、地元の貸衣装屋「みやび」を中心とする物語があった。
詳しくは他媒体や他のネット記事に書かれているのでここでは詳細を省くが、かいつまんで説明すると、約20年前に2人の若者の依頼に応える形で派手な衣装を完成させたら、そこから口コミで依頼が増え、それにつれて苛烈な言葉を含む苦情も増えたという。2016年に市は「きちんとした服で出席を」と呼びかけるなどしていたそうである。
風向きが変わったのは「みやび」がニューヨークで個展を開き、それが好評で、翌2023年には世界的なコレクションの一つである「ニューヨーク・ファッションウィーク」に招かれる形でショーに出演し、アートとして評価されたあたりからである。