ちょうど同年に北九州市長に就任した武内和久市長は、「市が世界に発信できる有益な文化」といった姿勢で「みやび」を支持する構えを見せている。なお式当日は、市長自身も式典後にド派手な衣装を身にまとって、若者たちと触れ合っていたそうである。

「みやび」からすれば完全に市の手のひら返しをされたといえるが、市長交代後の方針転換であるし、「みやび」オーナーは「結果的に北九州市が盛り上がれば」と喜んでいる様子である。

 とはいえ、ド派手衣装による成人式に反対する声も根強く、市としてはド派手衣装を市の財産として大々的にPRする段階にはまだないという認識で、「慎重に検討を重ねる」としているようである。

賛否両論が生まれたことで
自体に見られる変化の兆し

 今年の北九州市の成人式の様子が伝えられると、ネットは賛否で溢れた。コンテンツとしてわかりやすく、また専門知識を必要とせず個人の感覚で参加できるテーマなので、議論は大いに盛り上がった。

 「ド派手衣装の成人式」に肯定的な人は、ヤンチャ系若者に対する視線も寛容である。“寛容”と言わず、むしろ積極的に支持、応援する人や、感動する人までいる。

 以下は、代表的な意見である。

【肯定派】

・誰かに迷惑をかけていないのであれば問題なく、誰かがとやかくいう筋合いはない。

・ランウェイで発表の場を設けることで、若者たちの承認欲求が「暴れる」などでなく、「衣装を見てもらう」という健全な形で満たされるようになった。これは全国の自治体が真似するべき試み。

・見ていて楽しいのでもっとやってほしい。

・自己主張するために派手な衣装をデザインしてそれを身にまとうこと、そしてその衣装代のためにきちんと働くこと、すべてが格好良く見える。