倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング#14Photo:amtitus/gettyimages

Go To トラベルや全国旅行支援で、コロナ禍をなんとか生き延びた旅行・ホテル業界。訪日外国人は急増しているが、国内の旅行・観光需要はいまだ伸び悩んでいる。ランクインした12社の中には、海外旅行を扱う大手代理店のほか、スパリゾートハワイアンズを運営する常磐興産や箱根小涌園などを所有する藤田観光が並んだ。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#14では、旅行・ホテル業界の倒産危険度ランキングを公開する。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)

訪日外国人の旅行支出は過去最高も
「日本人の旅行」需要は戻り切らず

 円安の影響で、アフターコロナの観光・ホテル業界は明暗がはっきりと分かれた。

 日本政府観光局(JNTO)が発表した2023年の訪日外国人の旅行者数は約2507万人。コロナ禍前の19年の約3188万人と比べると、いまだ8割ほどで回復の途上にある。

 にもかかわらず、観光庁が発表した23年の訪日外国人旅行消費額は5兆2923億円と、19年比で9.9%増の過去最高額となったのだ。

 1人当たりの旅行支出は21万2000円で、19年と比べても3割以上伸長した。観光業界や外食業界はインバウンド需要に沸いており、東京・築地では1本3000円の和牛サーロイン串を求めて、外国人観光客の行列ができている。

 外国人スキー客が殺到する北海道ニセコ町も、“猫の手も借りたい”ほどのにぎわいだ。短期アルバイトのマッチングサイト「タイミー」には、時給2500円の求人も掲載されている。

 一方、日本人の国内旅行や海外旅行の需要は戻っていない。観光庁が発表した23年11月の旅行取り扱い状況によると、国内旅行は19年同月比で15.7%減の約2183億円。海外旅行は36.9%減の約1005億円だった。

 日本旅行業協会(JATA)の高橋広行会長は年始の記者会見で「2024年を旅行業界の完全復活元年にする」と断言したが、コロナ禍で体力をそがれた各社は起死回生を図れるのだろうか。

 ダイヤモンド編集部が旅行・ホテル業界の倒産危険度を調査したところ、12社が“危険水域”と判定された。次のページでは、大手旅行代理店や国内外に施設を展開するチェーンの実名を明らかにする。