「普段から運転している人にとっては当たり前の操作ですが、ペーパードライバーを自認している人はすべてに不安を感じています。ブレーキをいつ踏めばよいのか、ハンドルはどのように回したらよいのか、ウインカーを出すタイミングはいつか。そうした不安が運転の障壁となっていますので、一つ一つ付き添って解消していくことで、その先へ楽に進むことができます」(古賀さん)

 そのあとはインストラクターが助手席に座り、公道に慣れるまで繰り返し走行したり、駐車の練習を重ねたりして自信をつけていきます。レッスンでは「運転に対する不安」を丁寧に解消していくため、3日ほどかけて行うのが望ましいとのこと。3日間のうちに受講者の表情が徐々に明るくなり、運転が楽しくなっていく姿は、「教える側としても充実感がある」(古賀さん)ということでした。

ママチャリとは大違い!
速すぎる「ロードバイク」の巻き込みに注意

 ではここからは、ペーパードライバーが気を付けたいポイント(応用編)をご紹介しましょう。たとえじっくりとペーパードライバー講習を受け、運転の楽しさに気付いたとしても、やはり油断は禁物です。

 昨今は、車道を非常に速いスピードで走るスポーツ自転車(ロードバイクなど)のユーザーが増えています。そうした自転車は、いわゆる「ママチャリ」とは比べ物にならないほどのスピードで、右折時に「対向車の脇」をすり抜けてくる危険性があるため要注意です。

 また、自車が左折する際も、そうした自転車を巻き込まないように注意しなければなりません。繰り返しになりますが、ロードバイクはかなり高速です。巻き込み確認をした際に姿が見えなかったり、かなり遠くにいて「大丈夫だろう」と安心したりしていても、実際に左折する際にクルマの横に自転車がいてヒヤリとすることがよくあります。

 こうしたケースを避けて、安全に左折するコツは以下の通りです。

 まず、ミラーや目視で自車の左側を確認する。次に、左折したい地点の「30メートル手前」でウインカーを出す。そして、できる限りクルマを道路の左側に寄せ、自車の左側にバイクや自転車が入る隙間をつくらないようにする。そして最後に、左折する際にもう一度確認する。

 これらの「左折時の基本」を守っていれば、ロードバイクだけでなく、あらゆる巻き込み事故を防ぐことができるはずです。