では、過疎地域の復活には何が必要だろうか。ヒントになるのが「Small Towns, Big Ideas: Case Studies in Small Town Community Economic Development(小さな町、大きなアイディア 小さな町の地域経済発展のケーススタディー」(2008年)という250ページ以上に及ぶレポートだ。米ノースカロライナ大学チャペルヒル校公共政策大学院とノースカロライナ州農村経済開発センターが共同調査した結果をまとめている。

 同レポートは、人口1万人以下の町で、地域経済開発に成功している45の町で、何をして成功したのかを調査、研究したものだ。重要と思われる箇所を大きく二つ取り上げ、箇条書きで述べていく。

(1)具体的な経済目標とより広範で長期的な地域開発の目標と包括的な戦略のパッケージを組み込んだ地域社会は、断片的なアプローチをとる小さな町よりも多くのものを得ることができる。つまり、住民一人一人のニーズをくみ取るというよりも、経済発展のために何が必要かについて全体最適の視点で戦略を練り、そういうことに予算を集中させなければならないということだ。

(2)最も劇的な結果をもたらした小さな町は、積極的で未来志向という傾向がある。変化を受け入れ、リスクを受け入れる。成功した小さな町の(特に小さな町におけるリーダーシップの)一般的な特徴は、ほとんどが「どん底に落ちた」という事実と関係していると思われ、そのことは地元の人々が新しいことに挑戦し、新しいリスクを取ることをいとわなかった状況から発展したという。これは震災の被災地域に当てはまることだろう。

能登半島の復興には
補助金よりも「減税」を

「銀の弾丸は存在しない」という言葉がある。「銀の弾丸」とは、どんな問題でも一発で解決できる魔法のようなものを指す。西洋では、銀で作られた弾丸を打てばオオカミ男や吸血鬼を倒せると信じられていたことに由来する言葉だ。これまで地域の発展に「銀の弾丸は存在しない」のだとよく言われたものだ。しかし、無い無い尽くしで地域コミュニティーの崩壊をただ待つだけでいいのだろうか。

 政府の補助金は地域経済の「弱い部分」に焦点が当たりがちで、成長を促すことはなく、また効果の見極めが難しい。地震があったことで政府が能登半島の経済復興・発展のために手助けをしてくれるというのなら、むしろ法人税・住民税の減税をすべきだ。

 また、被災地域における設備投資に対して減価償却の扱いを100%即時償却とすることを特例として認め、企業の税負担を軽減することだ。これならば、企業からの投資が見込め、地域の雇用が増える。

 雇用があれば、住民が増えることになる。補助金を出すのでは、東京の怪しげなNPO(民間非営利団体)やら、つぶれかかったコンサルティング会社が群がり、彼らを肥やすだけなのだ。

 今こそ、被災地に「銀の弾丸」を放つときだ。