売上が上がらない、いくらコピーを工夫しても全く反応がない。そんな悩める人におすすめなのが、コピーライティングの第一人者・神田昌典氏25年の集大成であり、「この本は100万円以上の価値がある!」と北の達人コーポレーション木下勝寿社長が絶賛する話題の書『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』だ。今回は本書の中から、「FAQの上手な人、下手な人の決定的な差」について見ていこう。

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FAQとは「よくある質問」

 FAQは「よくある質問」のこと。

 FAQを単なる疑問解消の場ととらえ、「答えがわかればいいんでしょ」と無味乾燥な文章にしてしまうと痛い目に遭う。

 このFAQの悪い印象が、そのままあなたの会社全体や商品・サービスに対する印象になるからだ。

 しかも、私、神田が監修した『世界一シンプルな増客マシーンの作り方──普段のシゴトをしているだけで勝手に顧客がやってくる!』(マーカス・シェリダン著、神田昌典日本語版監修、齋藤慎子訳、実業之日本社)にも、顧客から「訊かれたことに答える」だけで集客の仕組みが一気にできあがることが書かれている。FAQこそが最も手軽なデジタル変革なのだ。

 それほど重要なFAQの文章を考えるうえで役立つ技術が「経験工学」だ。

 経験工学は『おもてなし幻想──デジタル時代の顧客満足と収益の関係』(マシュー・ディクソン+ニック・トーマン+リック・デリシ著、神田昌典+リブ・コンサルティング日本語版監修、安藤貴子訳、実業之日本社)の中でこう定義されている。

注意深く選択した言葉づかいで会話をコントロールしてそのかじを取り、告げられている内容を顧客がどう解釈するかを改善すること

 経験工学の中でも「肯定的な言葉づかい」は最も基本。

 経験工学を活用して相手の印象をよくするだけでなく、「オルタナティブ・ポジショニング」により商機を逸することを防げる

 オルタナティブ・ポジショニングとは、第一希望ではないものの、それと同等もしくは同等以上に、「いい結果を得られた」と感じる代替案の位置づけのこと。

 だが、経験工学をFAQに使うときに必ず出てくる抵抗は、

「ダメなものはダメとはっきり書いておかないといけない。ややこしい書き方だとわからない人が出てきて、後のフォローが大変だ」

 というもの。この抵抗感が根底にあると、常に「できません」「やめてください」と否定形ばかりになる。

◎悪い例(完全否定型)
ABCカードではお支払いいただけません。
(または)
ABCカードでのお支払いはご遠慮ください。

 否定形はあなたに果実をもたらさない。

 極力避けよう。

 ややこしい場合は、先に否定形で書き、次に肯定形でフォロー=オルタナティブ・ポジショニングを提示する。

◎よい例(経験工学フォロー型)
誠に恐れ入りますが、お支払いにABCカードはご使用になれません。
DEF、GHI、JKLカードがご利用可能ですので、ご確認のうえお支払
い手続きいただけますようお願いいたします。

ネット広告の技術のポイント

 ここまでのネット広告の技術を述べてきた。

 まとめてみよう。

●インターネットを使ったマーケティングがオンライン、郵送などインターネットを使わない紙媒体がオフライン

●インターネット広告(ネット広告)を使うことで、テレビCMや新聞広告などより安価に広告を出すことができる。また、オンラインは顧客からの反応や効果の確認が短時間でできるので、非常に効率がよい

●メールのライティングでの最重要ポイントは、差出人と件名。差出人と件名の見え方をよく考えると同時に、見出しは、読まれるように「BTRNUTSS」で確認する

●メールの開封率とクリック率を把握することで、そのメールが「どの程度読まれているか?」や、読み手の「関心の高さ」などがわかる

●メールの開封率の平均は20~30%。ただし、分母となる配信対象リスト次第で「率」は変わる点に注意。他社と比べるより、社内の過去の事例と比べるほうが重要

●メールは1回より複数回、特に締切前日に出すのが効果的。何度もメールがきてうっとうしいと思われないよう、配信対象を効果的に絞るセグメンテーションが有効

●効果の確認はA/Bテストで行う

●動画セールスにも「PASBECONA」の流れは有効

●FAQは極力否定の表現を避ける。否定表現をするときは、オルタナティブ・ポジショニングを提示し、肯定表現でフォローする

(本原稿は、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)