写真やカメラの話よりもカメラを持ってどこに撮影へ行ったかという話がいいです。電車なのか飛行機なのか車なのか徒歩で行ったのか、途中でどんなごはんを食べたか。どんな人と会ったか、どんな出来事があったか。どんな景色を見たか。そういう経験した話がいいとぼくは思うんです。
ペットボトルの水を高値で売ろうと思ったら砂漠で売ればいいって逸話がありますけど、需要と供給で価格が変動します。おもしろい話は価値のある話です。おもしろい話も需要と供給で変動します。写真やカメラの話を写真のコミュニティでしてても供給量が多いから価値は高くなりません。
写真やカメラの話は他のコミュニティですると価値が上がります。ぼくは狩猟のコミュニティで写真の話をして、写真のコミュニティで狩猟の話をよくしていました。学校や会社でおもしろい話をする人だって、勉強や仕事以外の話をしているでしょ。
幡野広志 著
だから写真をはじめたら何か他にも趣味をはじめるといいです。料理でも旅行でもスポーツでもなんでも。写真はもう1つの趣味を撮ればいいし、2つの話題があれば自然とおもしろい話ができるようになります。
おもしろい話ができると、写真が撮りやすくなります。仕事で写真を撮ってる人は基本的にみなさん話がおもしろいです。自分だったら話がおもしろい人と、そうじゃない人とどちらに写真を撮ってもらいたいですか?
写真談義みたいな話もおもしろいんだけど、飲み会の席で仕事の話をずっとするみたいなもんですからね。おもしろいといえばおもしろいけど、そればっかだとつまらないんですよね。