背後と頭上に常に5台ほどのドローンがホバリングしていて、筆者の指示ひとつで背中をかいてくれたりコーヒーを入れてくれたりする。見せ場はなんといってもやはり暴漢に襲われるような有事の際で、筆者を守るために5台が垂直になって寄り集まり盾のようになり、搭載した催涙スプレーを噴射し暴漢を撃退するわけである。5台のドローンを常にはべらすのはかなり特殊な生き様なので、家族からの風当たりはおそらく強いが、近所の小学生男子からは絶大な支持を集めるであろう。
各企業が事業に参入、
知られざる国内ドローン事情
国内のドローン導入はどこまで進んでいるのか。
冒頭で紹介した牛丼を運ぶような物流の利用はレベル4にあたり、初の試験飛行は2023年3月、日本郵便がすでに成功させている。このときは東京都奥多摩町(山間部)にて、1kgの荷物を抱えたドローンは約9分後、約2キロ先の住宅の庭先にそれを優しく置いて、郵便局に戻ったのであった。
なお、レベル3以下は手探りを交えながらではあるが実用化がすでに始まっていて、設備点検や農薬散布、測量などの作業ではすでにドローンの活躍が見られる。
物流の分野におけるドローンへの期待も大きい。たとえば、都市部でドローンが荷物を顧客に配送すること(いわゆるラストワンマイル)が可能になれば、ドライバー不足と交通渋滞の緩和、配達時間の短縮といった恩恵が見込まれる。
各企業の取り組みも盛んで、佐川、ヤマト、西濃などの主要物流企業はもとより、「空」の企業として長のあるJALやANAも事業に参入するべく準備を進めてきている。