ちなみに、ヤマトがオーストリアの企業と開発した貨物ドローンは、プロペラも翼もない(※正確には「サイクロローター」という技術で、回転翼を備えたプロペラの一種)のに空を浮遊し駆け巡る、まさしく未来を体現したかのごとき異形であり、ドローンおじさんとしてはぜひはべらせたくなるような、うってつけの凄みを醸している。

 なお、レベル4の実用化については各社実証実験を重ねていて、かなりの気合いのもとで推進されているようだが、当面注目されている目安は佐川が明言している「2025年導入目標」であろうか。

 レベル4における物流ドローン実装には安全性の確保や盗難防止対策、「UTM」と呼ばれる運行管理システムのさらなる整備など、いくつかのハードルがあり、これらがどうクリアされていくかというところである。

海外の安全対策と導入事例
中国では大都市の配送に実績あり

 安全性対策ひとつ取ってみても、各国・各企業のアプローチは様々で面白い。国内で行われている実証実験は、万が一事故が起きても被害を少なくできる、主に人が少ない地域で行われている。さらに、日本郵政の奥多摩町の実証実験では、パラシュートの備えや操縦士のリモート監視があった。

 米国のカリフォルニア州とテキサス州の一部地域で実装されているAmazonのドローン配送サービス「Amazon Prime Air」は、まず人口密度が高くない地域を選んで飛行するのだが、地上の様子を監視しながら飛行し、人や動物を発見すると迂回するという。また、道路を横切る許可を得ていないので、配達できる地域は限られているらしい。なお、物流ドローンの導入は米国でだいぶ進んでいる印象である。