旭化成社長の工藤幸四郎と
キヤノン前社長の真栄田雅也

 日向灘に面し、宮崎県北部にある延岡市。「工都」といわれる。県立延岡高校は、1899年設立の県立延岡中学校を前身とする伝統校だ。

写真:旭化成社長の工藤幸四郎旭化成社長の工藤幸四郎 写真:旭化成/時事通信フォト

 延岡市は、旭化成の企業群が立地する典型的な企業城下町だ。その旭化成で2022年4月から社長の座に就いているのが、工藤幸四郎だ。

 工藤は、延岡市立南小―同南中を経て1978年に延岡高校を卒業するまで延岡にいた。82年に慶応大法学部を卒業し、旭化成工業(現旭化成)に入社した生え抜きだ。繊維産業の海外ビジネスに携わり、経営企画の取締役などを歴任してきた。

 旭化成といえば、総合化学メーカーとして日本のトップ5位に入る大企業だ。23年3月期の年間売上高は2兆7264億円で、従業員は5万人弱いる。1922年に設立され、延岡はその創業の地だ。創業100周年のタイミングで、地元で生まれ育った「こてこて」の人物がそのトップに就くなどということは、いささか出来すぎた話だった。なお、工藤の妻は、延岡高校3年5組で工藤とクラスメートだった。

 旧制延岡中卒後に旭化成工業に入社した山田精吾は、全旭化成労働組合連合会の副委員長になった。全繊同盟の書記として出向したことをきっかけに、ゼンセン同盟副会長に昇格し、これをバックに89年、日本労働組合総連合会(連合)の初代事務局長に就いた。

 真栄田雅也は、16年からキヤノン社長を務めていたが、すい臓がんのため20年5月で社長の座を降り、その後、22年1月に死去した。カメラ技術者の出身で、デジタルカメラ事業の急成長をリードした。

SBSホールディングス創業の鎌田正彦と
コスモス薬品創業の宇野正晃

 鎌田正彦は総合物流システムのSBSホールディングス(本社・東京都新宿区)の創業社長で、一代にして同社を東証プライム上場企業に成長させた。

 鎌田は延岡高校卒業後、佐川急便で8年間、ドライバーとして勤務した後、起業し、関東即配を設立し、03年にジャスダック市場に上場させた。これを足がかりに次々と同業他社を買収、現在では年商約4300億円、従業員約2万3000人の大企業に育て上げた。

 日野三代春は、2010年代にテーブルマークホールディングス社長を務めた。ビジネスマンとしての振り出しは、旭化成工業食品事業部だった。

 宇野正晃は、九州を中心にドラッグストアチェーン店を展開するコスモス薬品(本社・福岡市)の創業者で、現会長だ。同社は23年5月期の年商が8276億円で、東証プライム上場だ。