最新の標準管理規約に応じた
管理規約の見直しが必須

 現在、多くのマンションではリフォーム規定はあるものの、配管の更新まで盛り込んだ細かな規定を設けているところはほとんど見られない。また、管理規約上、専有部分の配管の更新を円滑に進められない規約になっているマンションも多く見受けられる。

 マンションの管理規約はその大半が、国土交通省が管理規約の標準モデルとして作成したマンション標準管理規約をベースに定められている。2021年6月に標準管理規約が改正され、専有部分の修繕やその管理に関連して、実施主体や責任関係、管理組合(理事長)の権限などを明確化する内容が盛り込まれた。

 少し長くなるが、現在の標準管理規約のうち、専有部分の修繕や管理に関係する規約内容を紹介しておく。

(専有部分の修繕等)
第17条 区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替えまたは建物に定着する物件の取付け若しくは取替え(以下「修繕等」という。)を行おうとするときは、あらかじめ、理事長(第35条に定める理事長をいう。以下同じ。)にその旨を申請し、書面による承認を受けなければならない。
2 前項の場合において、区分所有者は、設計図、仕様書及び工程表を添付した申請書を理事長に提出しなければならない。
3 理事長は、第1項の規定による申請について、承認しようとするとき、又は不承認としようとするときは、理事会(第51条に定める理事会をいう。以下同じ。)の決議を経なければならない。
4 第1項の承認があったときは、区分所有者は、承認の範囲内において、専有部分の修繕等に係る共用部分の工事を行うことができる。
5 理事長又はその指定を受けた者は、本条の施行に必要な範囲内において、修繕等の箇所に立ち入り、必要な調査を行うことができる。この場合において、区分所有者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない。

(敷地及び共用部分等の管理)
第21条 敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。
2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。

 しかし、管理規約が古いままの場合、専有部分の更新工事に管理組合が手を出せない規約になっているケースが多い。特に高経年マンションの管理組合では、古い管理規約のまま運用しているところも少なくないため、早い段階で管理規約の見直しを行うことをお勧めする。