「日本のニッチが世界のメジャーになる、新しい時代がやってきた!」
そう語るのは、世界中のVIPがいま押し寄せているWAGYUMAFIAの浜田寿人氏。浜田氏は、「ニッポンの和牛を世界へ!」をコンセプトに結成された「WAGYUMAFIA」を主宰。和牛の食材としての魅力を伝えるために世界100都市のワールドツアーを敢行。世界のトップシェフと日本の和牛を使ってDJのように独自の料理にしていくのが話題になり、全世界の名だたるVIPから指名される、トップレストランへと成長しています。「1個10万円のカツサンドが飛ぶように売れる」「デビッド・ベッカムなど世界の名だたるVIPから単独指名を受ける」、そんな秘密をはじめて公開して話題となっている著書『ウルトラ・ニッチ』の中から、本連載ではエッセンスをご紹介していきます。
和牛を世界に知らせたい、という仕事に向かう大きな原動力
グローバルなビジネスをすると、ひとつ気がつくことがあります。それは日本人に比べて、外国人はとてもストレートに貪欲な印象がある、ということです。
それはネガティブな面もないわけではありませんが、ポジティブな面も大きい。新しいことを知りたい、面白いことを教えてほしい、びっくりするような体験がしたい……。そういう気持ちがとても強いのです。
だから、反応もアグレッシブです。本当に感動したときには、「WOW!」が心から表現されるし、とても喜んでくれる。ウケないときは明確に「ふーん」という感情を伝えてきます。さながらライブをしているような錯覚になります。
だから、僕は和牛に関しては、正直、日本人に説明するよりも、和牛を食べたことのない外国人に説明をするときのほうが、圧倒的に楽しいと感じました。何より感動してくれる。何より喜んでくれる。
これは、和牛を世界に知らせたい、という仕事に向かう大きな原動力になりました。
料理をしている最中は、集中できるし、マインドフルな時間
母がとにかく料理好きだったということ、家族が外食よりも家でみんなで料理して食べていたことが多いという子ども時代の経験もありますが、僕は食べることが、ものすごく好きです。昔も大好きでしたし、今も大好きです。だから、飲食のビジネスにも興味がずっとありました。
なんといっても、食の仕事はみんなが幸せになるのです。おいしいものを食べて、嫌な顔をする人はいない。みんなを笑顔にできる仕事なのです。
僕自身、今も旅をしていないときは毎日料理をします。母の影響もあって、5歳くらいから鍋や包丁に親しんでいました。妙に触りたがったそうで、気づくとキッチンに入っていたようです。ボーイスカウト時代にはいくつかの班の料理やリーダーの料理を数十人分一緒に作っていました。今思うと、あれがキッチンオペレーションの原点だったかもしれません。
アメリカ留学をしているときには、シングルファーザー家庭で冷凍食品ばかり食べていた友人に、毎日食事を作ることを決めました。冷凍食品ばかりでは、あまりに気の毒だと思ったからです。僕が作った料理をテーブルを囲んでみんなで食べる、僕にとっては当たり前の光景がそこに広がり、食卓に笑顔と会話が生まれました。
食べるのも好きですが、作るのも好きでした。料理をしている最中は、集中できるのです。マインドフルな時間で、なぜか落ち着きます。そして母ではないですが、食べた、おいしい味を再現するために、自分なりに逆算して試行錯誤していく、頭の体操がとても楽しいようです。