ソメイヨシノ2024年は法然上人が浄土宗を開いて850周年の記念イヤー(知恩院)

祇園上ル、岡崎東入ル、そして南禅寺へ 

 円山公園で花見を楽しんだ後は、ひょうたん池の前を北へ。門をくぐると、そこには浄土宗総本山・知恩院の巨大な三門が見えてきます。

 2024年は、法然上人が浄土宗を開いてから850年にあたるメモリアルイヤー。三門の両側を彩る桜を仰ぎ見ながら、さらに神宮道を上っていくと、10分ほどで京都屈指の文化ゾーンである岡崎エリアにたどり着きます。平安神宮の大鳥居の手前に流れる川は、明治近代化遺産の琵琶湖疏水で、川沿いにズラリと並ぶ木もソメイヨシノです。

 ここでのおすすめは、桜並木が続く疏水を十石舟でゆく「岡崎さくら回廊十石舟めぐり」(当日券あり)。水面近くまで枝を広げる桜を舟から仰ぎ見る、ぜいたくなひとときが堪能でき、ふいに春風が吹けば風流なハナイカダ(花筏)も見られます。

 また、春と秋には大津まで往来する観光船「びわ湖疏水船」(事前予約制)も運航。今春、滋賀県の大津閘門(こうもん)の電動化によって、疏水船の航路がびわ湖の大津港まで延伸されることが話題になっています。ほぼ予約が埋まっていますが、ゆったりと疏水をゆく船とソメイヨシノのフォトジェニックなコラボレーションが、うららかな春の到来を実感させてくれることでしょう。
 
 琵琶湖疏水(岡崎疏水)を東へ歩いていくと、東山の麓に広大な南禅寺が見えてきます。1291(正応4)年、禅僧・無関普門が開山した禅の古刹(こさつ)で、歌舞伎の演目「楼門五三桐」では、大泥棒・石川五右衛門が三門の上から素晴らしい春の眺めを見下ろして、「絶景かな、絶景かな、」の名ゼリフで見得を切る場面が有名です。現在、三門は拝観料600円で上がることができますので、三門上から桜に包まれる南禅寺を眺めて、あなたもひと言! “絶景かな~♪”と見得を切ってみてください。
 
 さて、南禅寺を抜けると、さらに北へ上がって銀閣寺あたりまで桜並木が続く「哲学の道」に向かうルートもありますが、その散策道が狭いこともあって、昼間は行き交う人びとで大にぎわいになることも。そこで、南禅寺からふたたび琵琶湖疏水沿いに西へ歩いて、鴨川へ行ってみましょう。
 
 今は穏やかな流れの鴨川ですが、実は平安時代の頃は氾濫を繰り返した暴れ川でした。『平家物語』によると、院政によって絶大な権力を掌握した白河法皇でさえ、思いのままにならない“天下三不如意”として「賀茂の流れ、比叡の山法師、双六の賽(さい)」を挙げたほどです。

 かつての姿を忘れたかのような鴨川のほとりを歩いて丸太町橋の北辺りにたどり着くと、川沿いの散策道と桜並木が同じ高さとなり、芝生に寝転んで桜の木を見上げれば、青空に広がる一面の桜花に心が躍ること、間違いなし! また、うれしいことに近くにコンビニがあり、缶ビールとおつまみを買うと、鴨川べりの特等席ですぐに花見の宴がスタートです♪

琵琶湖疏水十石舟から見上げる桜は格別(琵琶湖疏水)