また、生命保険は万が一の時には子どもへの資産として役立つ。死亡保険金として高額の資産を家族に残すことができる。働き盛り・子育て盛りの方々にこそ、生命保険は人生のセーフティーネットとして必要だといえるだろう。

 生命保険料控除は、扶養している子どもの人数に合わせて、控除される額が変わる見込みだ。児童手当同様、複数の子がいる家庭を支援する意図がある。実際の変更は2025年度の予定のため、生命保険に関心がある方は慌てずに議論の続きを待つと良いだろう。

そもそも生命保険控除とは
どのような仕組みか

 そもそも生命保険控除とは、生命保険料として支払った保険料の一定額が、保険加入者の所得から差し引かれるという「所得控除」の一つだ。年末調整の時期になると、社内で地震保険料と合わせて控除を受けたい方は提出しているだろう。手続きを行うと、税の還付が受けられる。

 現行の制度は、生命保険の種類ごとに控除が適用できる仕組みを採用している。一般生命保険・介護医療保険・個人年金保険の3つに分けられており、一般的な死亡保険は一般生命保険料としてそれぞれ「最大4万円」の控除が適用される。なお、住民税では各2.8万円がそれぞれ適用されるため、所得税で最大12万円、住民税で最大7万円の控除が受けられる。

 新制度は現在のところ、一般生命保険料の控除として、現在の4万円から6万円へ控除額を拡充する見込みだ。住民税への控除は未定であり、全体の12万円という控除額の枠は変更されない予定である。

生命保険は今からでも
加入をするべきか

 子育て世代の方々は、将来の資産形成や教育資金の確保のために、生命保険に加入している方が多いだろう。しかし、住宅ローンなどを抱えていると、生命保険への加入は二の次となってしまうことも考えられる。では、今後の控除の拡充予定を受けて、生命保険は今からでも加入するべきだろうか。

 生命保険は途中解約をすると掛け金として払ってきた保険料が満額返ってくるものではないため、基本的に満期を目指す契約である。保障だけを求めるなら格安保険料の掛け捨て保険へ加入するべきだが、子育て世代は高額の死亡保険金を用意しておきたいところだ。

 とはいえ、貯蓄性も求めると、保険料は高額となる傾向があるため、加入は迷う人も多いだろう。しかし、生命保険は若年層が加入する方が、健康リスクの観点から保険料が割安の傾向がある。また、貯蓄率が高い保険も多い。年齢を重ねると、どうしても生命保険は加入しにくくなる点も押さえて、自分に合った生命保険に早期加入しておくと良いだろう。

 ただし、収入や健康状況によっても加入できる保険は変わる。生命保険以外の金融商品の購入などに関心がある場合は、まずはFPに相談し、生命保険が必要かじっくり検討することがおすすめだ。そして、生命保険は相続税対策としての顔があることも知っておきたい。