「仕事が遅い部下がいてイライラする」「不本意な異動を命じられた」「かつての部下が上司になってしまった」ーー経営者、管理職、チームリーダー、アルバイトのバイトリーダーまで、組織を動かす立場の人間は、悩みが尽きない……。そんなときこそ頭がいい人は、「歴史」に解決策を求める。【人】【モノ】【お金】【情報】【目標】【健康】とテーマ別で、歴史上の人物の言葉をベースに、わかりやすく現代ビジネスの諸問題を解決する話題の書『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗、島津斉彬など、歴史上の人物26人の「成功と失敗の本質」を説く。「基本ストイックだが、酒だけはやめられなかった……」(上杉謙信)といったリアルな人間性にも迫りつつ、マネジメントに絶対活きる「歴史の教訓」を学ぶ。
※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

三流の管理職は「過去の上司」のマネをする。では、超一流のリーダーは?Photo: Adobe Stock

リーダーに求められる
3か条とは?

あなたは現在、リーダーの立場にいるでしょうか? それとも、現在はリーダーでなくても、将来リーダーになることを目指しているでしょうか?

このたび私が初めて書いた著書『リーダーは日本史に学べ』が刊行されましたが、本書でいうところのリーダーとは、組織の大小を問わず、経営者や中間管理職、チームリーダー、それにアルバイトのバイトリーダーも含みます。

なにかしらの成果の実現に向けてメンバーを引っ張る立場の人であれば、それはリーダーということです。

では、そんなリーダーに求められることは、なんでしょうか? 私は、次の3つだと考えています。

リーダーに求められる
3か条とは?

リーダーに求められる3か条

1. 方針や計画を立て、組織が進むべき方向を示す
2. 1に基づいて、「人」「モノ」「お金」「情報」をどのように使うのかを決める
3. 2に基づいて、成果を生み出す

この3か条を果たそうとするなかで、リーダーはさまざまな問題やトラブルに直面し、悩むことがあります。

たとえば、「そんなに困難な仕事ではないはずなのに、部下がスムーズに進められずにいて、イライラしてしまう」などというのは、多くのリーダーが直面する“素朴にして深い悩み”ではないでしょうか。

問題あるリーダーは
再生産される

そんなとき、どのようにして問題解決に向かったらいいのでしょうか? 過去の上司を思い出し、その対応を参考にすることもあるでしょう。

しかし、過去の上司がパワハラ体質だったりして、リーダーとしての資質に問題があった場合、その上司を参考にしてしまっては、自分自身が“問題あるリーダー”になりかねません。

パワハラにしても、モラハラにしても、問題があるリーダーとは、このように連鎖して再生産されるケースがとても多いのです。

超一流のリーダーは
歴史上の人物に学ぶ

良いことも悪いことも、自分が受けた指導や体験した事柄は、部下や子どもたちに無意識に伝えてしまいやすいわけです。

それでは、自分の経験以外に、どこから学べばいいのでしょうか。その答えは、「歴史」にあります。

歴史上のリーダーとして名を残した人物に学び、実践するということです。

遠い昔の歴史に
学んでも意味がない?

「えっ、歴史は遠い過去の話で、いまとは全然状況が違うから、学んでも意味がないのでは?」と感じる人も多いでしょう。

じつは、かつては私自身も似たような考え方でした。少なくとも、歴史上の人物たちのリーダー像が、現代にも通じるとは考えていませんでした。

ところが、歴史に詳しくなることによって、その考え方は完全に覆されたのです。

※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。