大きな交差点で右折、先頭になった時のプレッシャー

 教習2回目。夜間の都心の大通り講習。東東京から新宿あたりまでを走った。

 初回のおためし教習で、一応車が動かせるようにはなったものの、大きな交差点での信号の見方や、右折をする時にどうしたらいいのかの感覚が分からず、1人で都心の交差点に入る勇気がまったくなかった。似た状況にある、ある程度の年齢がいってから運転をはじめたドライバーに聞くと、やはり、筆者と同じく大きな交差点の右折待ちを怖いという人が多かった。

 運転をしなくなって長い人は、一度思い浮かべてみてほしい。大きな幹線道路が交わるところの右折で先頭になった場合、どこまで進んで待っていたらいいのか。普段運転をされる人は笑うだろう。しかし、私たちペーパードライバーズにとっては、実に深刻な問題だ。

 自宅からスタートして、具体的に近所の運転に注意が必要なスポットを教わる。これらは、毎回といっていいほど役に立つ自分専用で最高のアドバイスとなる。

 その後、大きな道に入っていき、運転をしながら、その場で「今は◯◯が怖いです」「このあたりで待っているのが正解ですか?」「右折の矢印がでている時は対向車は来ないとおもっていいんですか?」など、普段運転をする人であれば、当たり前であったり、頭で考えるものではないという回答が返ってきそうなものを、どんどん口にし、その場で回答をもらう。そして、少しずつでも安心できるようになっていく。

 こうした、初心者がつまづくポイントをあらかじめ知っていてくれて、その質問をばかにしないでくれるというのも、運転コーチをお願いする、ありがたい要素であると感じた。

 これまで10代、20代の頃から何度歩いたかわからない都心のネオンと信号機の色が混ざる中を、初めて自分で運転し、「運転」というものが「自分がするもの」に変わっていく。変な感想であるが、これまでいくら車に乗っていても、あまりにも当事者意識がなかったことに気が付いていく感覚があった。これまで車に乗せてくださった皆さんに改めてお礼を伝えたい。本当にありがとうございました。配慮が足りなくてすみませんでした。

 他にも、「都心で信号でとまるとこんなにも進まないものなのだな」であるとか、反対に「電車ってすごいな」などという感想をもつ。いずれにせよ、すっかりなじんで、すっかり見慣れた「TOKYO」を再定義・再認識するのに、いい刺激が得られた。