私は、浩大くんが通う東京都目黒区にある某小学校の正門が見える位置にて下校するのを待ちました。下校のチャイムが鳴り、たくさんの生徒が正門から出てきました。事前の情報により、身長・体重・服装・持ち物が分かっていたので、見分けるのは容易だと思われました。

約1時間後出てきた
小学5年生が向かった先

 15分ほどで、出てくる生徒もまばらになり、30分もするとほとんど出てこなくなり、正門で安全確認を含めて見送っていた先生も職員室に戻ったようでした。

 しかし、浩大くんの姿はまだありません。見落としはしていない自信がありました。出入り口は正門のみで、他に出入りできる場所がないことは確認しています。絶対校舎内にいることは確実だったため、引き続き正門を監視し続けました。すると55分後に、浩大くんが正門から出てきました。1人でしたが自分で背負っている以外に、なぜかランドセルを両手に二つずつ持っていました。

 じゃんけんで負けたらみんなのランドセルを持つという遊びをしたこともあるので、そういった類いのものかと思いましたが、浩大くんは四つのランドセルを持ったまま、ヨタヨタと最寄りの駅に歩いていきました。周囲には小学生はいませんでした。

 そのまま浩大くんは地下鉄に乗り、自宅とは違う方面に向かい、2回乗り継いで1時間ほどかけて港区のお台場の某施設に行きました。その施設はショッピングや飲食が楽しめ、ゲームセンターもありました。

 浩大くんはゲームセンターの前にあるベンチに座り込むと、傍らにランドセルを丁寧に置きました。

 20分ほどすると4人の小学生が浩大くんを取り囲んで、「お前遅いんだよー!」「もうちょっと遊ぶからここで待ってろ!」などと言って、ゲームセンターに入っていきました。

 それから1時間近く、浩大くんはそのままベンチに座っていました。その後、4人の小学生がランドセルを取りに来て、浩大くんを残して立ち去りました。

 浩大くんは我慢していたのでしょう。走ってトイレに駆け込んで用を足したのち、トボトボと帰宅しました。