真子さんに、一連の写真と会話の録音データと合わせて行動調査の結果を報告したところで私の仕事は終わりました。私の所感としては言葉や暴力でのいじめは確認できませんでしたが、利用されているであろう関係性はうかがえたことを伝えしました。

ランドセルを運ばせた小学生たち
関係改善に取り組んだこととは?

 後日分かったことは、4人の小学生は浩大くんの幼稚園からの同級生で、小学校3年生まで同じクラスで仲が良かったそうですが、浩大くんだけが別のクラスになったことから疎外されるようになったようです。

 言葉や暴力でのいじめはなかったようですが、ランドセルを隠されて、時間内に見つけることができなければ指定の場所まで持ってくるという罰ゲームを科されるようになったそうです。そして浩大くんが買ってもらったゲーム機本体やソフトは、4人のうちの1人が兄に頼んでフリマで売っていて、その売上金はゲームセンターで使い果たしていたとのことでした。

 真子さんは4人の小学生の親と教師にこの事実を伝えたところ、親も教師も問題視して、お互いに子どもの関係改善のため協力体制を組み、解決に向けた取り組みを進めることになったそうです。

 浩大くんのケースではいじめの一歩手前で、浩大くんの心の部分でも取り返しがつく状況でした。子どもと親を交えて、キャンプに行ったりして親交を深めることによって、子どもたちの関係も元に戻りつつあるということも聞きました。

 もし、子どもがいじめられていることが確認できた場合、証拠を集めることも大事ですが、心のケアも大事です。カウンセラーや心療内科、またいじめに特化した専門機関などに相談してみて、子どもの心をケアすることも合わせて必要だと思います。これは、大人のいじめでも同じことが言えます。

 片岡探偵事務所では、できる限りのサポートをいたします。少しでも気になる兆候が見られたら、すぐにご相談ください。

「いじめ被害の実態を明らかにする探偵」。点と点が線になる探偵トークでした。

※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため個人名は全て仮名とし、一部を脚色しています。