頭のいい人たちのノートの作り方を徹底研究し、真似をしたことで、何と偏差値35から東大に合格してしまった西岡壱誠氏。昨年、そのノート術をまとめた『「思考」が整う東大ノート。』を出版し、ヒット作となっている。
その後、現役東大生たち3人のノートを見せてもらい、西岡氏が分析。私たちの仕事や勉強への取り入れ方も解説してもらう、という記事を公開したところ、こちらもおおいに好評を博した。
その第二段として、現役東大生で、国際情報オリンピック(IOI)3年連続金メダル獲得という輝かしい経歴を持つ米田優峻さんのノートを、西岡氏が分析。最終回では、実際の授業の板書とそれをまとめたノートを見比べ、そのポイントを分かりやすく解説・分析してもらった。(構成:山本奈緒子)
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米田:今回は、僕のノートの取り方をより分かりやすくお伝えするために、大学の授業中に取ったノートと、それを試験前にまとめたノートをセットでお見せしたいと思います。まずこちらが「授業ノート」です。といっても、ただ先生の板書を丸写ししただけの「板書ノート」なのですが。
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そしてこちらが、期末テスト前にその「板書ノート」をまとめ直した「まとめノート」です。
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西岡:まず、板書を書き写すときのこだわりを教えてください。
米田:たしかに先生の板書を丸写ししているのですが、ちょっと違うのは、僕は1回の授業内容を0.3+0.3+0.3+……と15節ぐらいに区切ってとるんです。なぜかというと、そのほうが単純に思考が整理しやすいから。
西岡:ノートの真ん中にタテ線が引かれているだけでなく、ヨコ線でも細かく区切られているのがそういうことですね。
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米田:上記は「連続アルゴリズム」という科目で、「固有値問題」について習ったときの板書ノートです。大抵、1回の講義で1トピックを教わることが多いのですが、その1トピックの中にも「節」みたいなものが存在しています。それをしっかり区切りながら書き写していく。
西岡:ただ区切るだけで、あとはそのまま写しているということですね。
米田:はい、そしてテスト前にその「板書ノート」を見返して、どの節が重要か考えます。たとえば「1,2,3,5,7節が重要だ」などと確認したら、それを新たな節として「まとめノート」にまとめていくんです。
西岡:なるほど。多くの人は書き写したものを全部一緒くたにしてまとめようとするけど、あらかじめ「0.3+0.3+0.3+……」と小分けしていることで、まとめるときに必要な情報とそうでない情報の取捨選択がしやすくなる。
結果的に「これさえ見返していれば試験に受かる」というような、無駄のない「まとめノート」ができるというわけですね。