「重くて返信したくないメール」を「返信したくなる感じのいいメール」に変える、たった1つのコツがあります。
それを語るのは、「感じのいい人」に生まれ変われるとっておきのコツを紹介する書籍『気づかいの壁』の著者・川原礼子さんです。職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか? この連載では、「顧客ロイヤルティ(お客さまとの信頼関係づくり)」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきたノウハウを、さらにわかりやすくお伝えします。本稿では、本書には入りきらなかった「気づかいのコツ」について紹介しましょう。

「重くて返信したくないメール」を「返信したくなる感じのいいメール」に変える、たった1つのコツPhoto: Adobe Stock

感じのいい人のメールの特徴は?

 あなたは、メールを開いた途端に、隙間なくびっしりと書かれた長文に、圧迫感をおぼえたことはありませんか?

 忙しいときなら、「後で読もう」と、一度開いたメールを閉じてしまうかもしれません。
 電車でも空いた車両に乗りたいように、メールもまた、びっしり文字が密集していると、読み手は避けたくなるのです。

 私はメールライティングも教えていますが、まずは読んでもらうメールの基本として、「適宜、空白行を入れる」「1行はせいぜい35文字程度」などの基本からお伝えしています。

 そして、「漢字・ひらがなのバランス」も重要です。
 漢字の多いメールは、字画の多さから全体に黒い部分が多くなるのです。
 たとえば、

 大変御世話になっております。
 〇〇企画の川原です。

 本日は御多忙の処。お時間を頂き誠に有難う御座いました。
 御説明した新商品の資料を添付致します。

 御不明点が御座いましたら、遠慮なくお問合せ下さい。
 何卒、来月のお打合せも、宜しくお願い致します。

 これを、ひらがなを多めにすると、以下のようになります。

たいへんお世話になっております。
〇〇企画の川原です。

本日はご多忙のところ、お時間をいただき誠にありがとうございました。
ご説明した新商品の資料を添付いたします。

ご不明点がございましたら、遠慮なくお問い合わせください。
なにとぞ、来月のお打ち合わせも、よろしくお願いいたします。

 まったく同じ内容ですが、上のメール文は、黒い部分が多いですよね
 一方、下のメールは、白い部分が多いです。丸くやさしい印象にならないでしょうか
 少し薄目で見ると、より、その違いがわかります。

 特に、お断りや、お詫びなど、緊張するメールは、圧迫感を与えないために、意識的にひらがなを使うのがおすすめです。

 感じのいい人のメールは、「ひらがな:漢字=7:3」くらいで書かれていることが多いです。
 ぜひ、試してみてくださいね。

(本記事は、『気づかいの壁』の著者・川原礼子氏が特別に書き下ろしたものです。)

川原礼子(かわはら・れいこ)
株式会社シーストーリーズ 代表取締役
元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー
高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。
2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)が初の著書となる。