「どうしても興味のないお誘い」を受けたとき、感じのいい人が使う“絶妙に大人な断り方”とは?
それを語るのは、「感じのいい人」に生まれ変われるとっておきのコツを紹介する書籍『気づかいの壁』の著者・川原礼子さんです。職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか? この連載では、「顧客ロイヤルティ(お客さまとの信頼関係づくり)」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきたノウハウを、さらにわかりやすくお伝えします。本稿では、本書には入りきらなかった「気づかいのコツ」について紹介しましょう。
「断ること」は難しい
「相手を傷つけない断り方を教えてください」
コミュニケーション講師として、どれだけの回数、この質問をされてきたことでしょう。
「相手との関係性を壊したくない……」という方が、本当にたくさんいらっしゃいます。
ビジネスシーンだけでなく、プライベートでも誘いを断ることはあります。
興味があるけれど都合がつかない場合ならば、
「その日は先約が入っていました。とても残念です。またの機会があったら、ぜひ誘ってください」
などと言えます。
悩むのは、自分に興味がない「誘い」の場合ではないでしょうか。
「先約がある」を使う手もありますが、また同じ誘いが来てしまうかもしれません。
感じのいい大人な返しとは?
私は「興味がない」ことを、伝えるのも一つの気づかいなのでは? と、お答えしています。
あるとき、私の趣味のイベントに友人を誘った際、こんな返事をもらったことがあります。
「お誘いありがとう。ただ、私はそちらの方面に疎いのです。
参加してもせっかくのお誘いがもったいないことになりそうです。
どうぞ今回は、お仲間の皆さんと楽しんでください。
別に暑くなる前にでも、食事に行きませんか?」
感じのいい、大人の回答ではないでしょうか。
「疎い」「もったいない」でイベントに興味がないことを、さりげなく伝えています。
代案が添えられているため、「興味がないのはそのイベントだけ」なのも、わかります。
そして、さっそく翌月、その友人と食事に出かけました。
私は気づかいの軸というのは、「自分がされてうれしいか」だと伝えています。
興味がないのを知らず、誘い続けるより、または無理して参加されるより、こんなふうに「本音」を言ってもらったほうが、うれしくないでしょうか?
(本記事は、『気づかいの壁』の著者・川原礼子氏が特別に書き下ろしたものです。)
株式会社シーストーリーズ 代表取締役
元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー
高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。
2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)が初の著書となる。