次世代スポーツカーとは
何を指しているのか?
前田氏が言う、次世代スポーツカーとはマツダは昨年秋に開催された「ジャパンモビリティショー2023」で世界初公開した「MAZDA ICONIC SP (マツダ アイコニック エスピー)」を指す。
ボディ寸法は、全長4180mm×全幅1850mm×全高1150mm、ホイールベースは2590mmで車両重量は1450kgだ。
その雰囲気から次世代の「RX-7」、つまり「RX-9」をイメージさせる実にマツダらしいデザインテイストを感じる。
また、近年のマツダ車のネーミングを考えると「RX-90」
最大の特徴は2ローター Rotary-EV(ロータリー イーブイ)システムを搭載することにある。
マツダは15年の東京モーターショーで、ロータリーエンジンを搭載したロータリースポーツコンセプト「RX-VISION」を公開して世界から注目を集めたが、結局同モデルはゲームソフトのグランツーリスモの世界でのみ活躍し、実車が量産されることはなかった。
そのため、今回の「ICONIC SP」についても、前田氏の「個人的な夢の話」という表現に見られるような架空の存在で終わってしまうのではないか、という声がマツダファンの間では少なくなかった。
一方、マツダ幹部は直近で、「ICONIC SP」量産の可能性について否定はしていない。
その証しといえるのが、ツインローター Rotary-EV実機の存在だ。
マツダ、トヨタ、スバルの3社共同で5月28日、都内で開催した「電動化時代の新たなるエンジン開発を三社三様で宣言」という記者会見の場で世界初公開された。
公開されたのは、2種類のユニットである。
ひとつは、発電用のシングルローターと新たな電気駆動ユニットを横置きにしたものだ。
シングルローターのロータリーエンジンを発電機として使う手法は、「MX-30 Rotary-EV」で量産されている。同モデルの場合、内燃機関のエンジンを使ったマイルドハイブリッドがベースであり、それをEV向けのレンジエクステンダーに改良するという経緯で設計された。
一方、今回登場した新型ユニットは、純粋に「ロータリーエンジンありき」での電動ユニットであるため、パワーユニット全体としてかなりコンパクトな仕上がりになっているのが特徴だ。