電気自動車(EV)大手の米テスラや中国BYDのEV販売が失速。欧州系自動車メーカーもこぞってEV計画を先送りさせている。ここにきて、世界のEVシフトに待ったがかかっている状況だ。だがその一方で、EVの基幹デバイスである「車載バッテリー」の投資競争はむしろ過熱している。自動車メーカーによる電池メーカーの囲い込みが激化し、主要国の政府は経済安全保障の確保をスローガンに巨額補助金を投下しているのだ。特集『EV失速でどうなる?電池覇権』では、車載バッテリーの最新勢力図を描くとともに、国内電池メーカーの課題と“勝ち筋”を炙り出す。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
#1 6月17日(月)配信
トヨタ、パナ、ホンダ&GSユアサ連合…EV電池補助金「5000億円の投下先」を大胆予想
世界のEV市場に失速ムードが漂っているのとは対照的に、車載バッテリー市場の投資競争は激化している。経済産業省は日本の電池産業を全面的にバックアップする構えを見せており、今年度は5000億円にも上る巨額の補助金を投じる予定だ。EVの販売が減速しているにもかかわらず、車載バッテリー市場が盛り上がりを見せている背景には何があるのか。国内バッテリーの主要陣営の勢力図を明らかにするとともに、補助金が投下されるバッテリー陣営を大胆に予測する。
#2 6月18日(火)配信
EV失速で世界王者・中国CATLに異状あり!車載電池市場「グローバル最新序列」が激変
車載バッテリーは日本・中国・韓国メーカーの寡占市場になっており、その中でも中国CATLは絶対王者の地位を不動のものとしてきた。だがここにきて、一時的なEV失速が直撃。盤石な体制が揺らぎつつあるという。車載バッテリーの納入先である自動車メーカーとの関係性に着目しながら、車載電池メーカーの「グローバル最新序列」を公開する。
#3 6月19日(水)配信
日産との関係は?車載電池メーカー創業メンバーが激白!「生産能力20倍計画」の勝算
かつて日産の子会社だったAESCが、再生可能エネルギーに注力する中国エンビジョングループの傘下に入り躍進を続けている。国内では茨城工場で生産力増強を進めるとともに、グローバルでは現在の約20倍に当たる400GWhもの生産能力を確保するという。AESC創業メンバーの一人である野田俊治常務に、この一大構想の真意を語ってもらうとともに、車載バッテリーのフルラインアップをそろえる「全方位戦略」の思惑を明かしてもらった。
#4 7月16日(火)配信
車載電池「日本復権」への道、資源調達から人材までの課題と処方箋を業界団体幹部が直言!
半導体に続く“重要物資”となった車載バッテリー業界。電池メーカーだけではなく部素材や製造装置の分野でも日本企業がプレゼンスを発揮している。ところが、EV市場の伸び悩みや地政学リスクにより、電池サプライチェーン全体に動揺が広がっている。200社を超える電池関連企業を束ねる電池サプライチェーン協議会(BASC)の森島龍太業務執行理事に、日本の電池業界“復権”の課題を語ってもらった。
#5 8月16日(金)配信
中国企業が優勢の電池業界は「再編」不可避!サプライチェーン「日本の4大課題」を徹底解説
CATLやBYDなど、中国勢が幅を利かせている電池業界。実は、地政学リスクを抱えているのは、電池メーカーだけではない。中流や上流も含め、サプライチェーン全体が危機にひんしているのだ。資源調達から電池製造に至るまでの電池サプライチェーンを徹底解剖し、サプライチェーンの随所で活躍する日本企業を大公開する。日本勢復権のために突破すべき「四つの重大課題」とは。
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