尾原和啓氏(以下、尾原):より期待をかけられるようにしていくことが大事ですね。「失敗の数を増やそう」とよく言いますが、失敗の前には決断があります。決断は、期待をかけられた上で、自分で決めるからできるんですよね。

曽山:そうなんですよ。抜擢と決断がない失敗はきついんですよね。それは、「お前、これやれよ」という上司の命令から始まるからです。「やれよ」と言われて嫌々やって、失敗した時に上司に怒られる。それだと、次は受け身になりますよね。

伊藤:それはそうだ(笑)。

尾原:そういう意味で言うと、ChatGPTは物事を分解してくれるから、自分で選択肢を増やせます。決断は「断つことを決める」ことだから、「ChatGPTが挙げてくれた5つのうち、1つ目と2つ目は80点だと言っているけど、3つ目の40点が僕の回答なんだ」と言って、断つことが決められます。

 AIを壁打ち相手にすれば、サイバーエージェントが組織でやっている、一番大事な「抜擢」と「決断」の加速装置や離陸路になりますよね。

曽山:そう思います。