アスタキサンチンの働きのひとつが、疲労をやわらげる作用だ。

 運動などで筋肉を動かすときには、体脂肪に加えて、肝臓と筋肉に蓄えられたグリコーゲンが使われる。ただし、脂肪に比べてグリコーゲンの量は少ない。このため、体を動かしているうちにグリコーゲンが燃やし尽くされると、ひどく疲れてしまう。

 とくに激しく体を動かす際、こうした状態に陥りやすく、マラソンの場合なら、疲労がたまって失速する「30kmの壁」の大きな原因となる。

 そこで、アスタキサンチンに体内で働いてもらうのだ。アスタキサンチンが摂取されると、体を動かす際にまず体脂肪が使われるように働く。グリコーゲンの利用は後回しになり、簡単に枯渇しなくなるので、疲れにくくなるというわけだ。

 アスタキサンチンは非常に強い抗酸化作用も持っている。なかでも得意とするのは、紫外線から肌を守ってシワやシミを防ぐ効果で、若さを保つアンチエイジングにとても有効だ。

 ほかにも、脳の海馬の機能を高めることによる記憶力アップ、眼精疲労の軽減、動脈硬化やガンの予防などに効果があるとされている。サケを意識して食べて、このスーパー成分をたっぷり摂取しよう。

疲労回復に欠かせない、快眠のコツ

 疲労をためこまないためには、ちょっとした睡眠のコツも必要だ。なかなか寝つけないとき、あるいは眠っている途中で目が覚めたとき、「いま何時なんだろう?」と時計やスマホを見て確認してはいないだろうか。

 ぐっすり眠り、疲れを取りたいのなら、この行動はやってはいけない。「1時間たっても眠れていないのか。早く眠らなければ」「もうこんな時間……。いまからだとあと3時間程度しか寝られない」といったネガティブな感情の原因となってしまう。

 寝つくのに邪魔なのが、焦りや不安、イライラ。時計を確認したことで、ますます寝られなくなるのだ。