もう一つの足つけ神事と土用丑の日
京都の「足つけ神事」といえば下鴨神社が有名ですが、「天神さん」こと学問の神・菅原道真公を祀(まつ)る総本社「北野天満宮」でも「御手洗川足つけ燈明神事」が行われています。こちらは、少し先の8月2日(金)~18(日)のやはり午前9時~午後8時(最終受付午後7時40分)まで催され、初穂料は500円です。
北野天満宮でも、旧暦の七夕に水に足を浸して暑気払いを行う御手洗祭が江戸時代まで営まれていました。ところが、明治時代から一時衰退し、近年、境内に新しくせせらぎを設けたことで、2016年から復興されました。
こちらでは、「この世のすべては、木・火・土・金・水の五つの要素でできている」という五行説と陰陽論の陰陽五行説に基づく5色のろうそくから好みの1色を選んで受け取り、御手洗川に足を浸して身を清め、献灯します。同じ期間、参道に無数の提灯や七夕飾りが掲げられる「北野萬燈会・七夕ライトアップ」も行われます。
まずは暑気払いと無病息災を祈る神事を二つご紹介しました。次は盛夏の京グルメです。夏の「土用の丑」の日には、暑さで疲れた体をいたわり、精が付くものを食べる習慣として、全国的にも鰻(うなぎ)を食べますね。
ところで「土用の丑」の「土用」って何でしょう。一年を春夏秋冬の四季に分け、冬から立春、春から立夏、夏から立秋、秋から立冬へと移ろう季節の変わり目、それぞれ約18日間のことで、18×4=年72日ほどが「土用」に当たります。この期間中に巡ってくる丑の日が「土用の丑」となり、今夏は7月24日(水)と8月5日(月)が該当します。
アクセスの良さ、店の風情、おいしさの三拍子がそろう京の名店として、らくたびのイチオシは「京極かねよ」です。まぶしご飯の上に江戸焼きの鰻、鰻を隠すほどに京風の玉子焼きがどーんとのった、インパクト大の名物「きんし丼」が人気です。2階では毎月最終月曜日に落語会「かねよ寄席」も開催。この7月は29日です。タイミングが合う方は、思いっ切り笑って、猛暑を吹き飛ばしてください。