プロテインブームでも
“摂りすぎ”はNG!

 そのほか、筋トレと同じようにブームが到来している“タンパク質”の摂り方にも注意が必要、と満尾氏は話す。

「タンパク質は、適量を摂れば体づくりに役立つ重要な栄養素ですが、昨今は“摂りすぎ”に陥っている人もいます。とくに、通常の食事に加えてプロテインを飲んでいる人は、1日の推奨量を大幅に超えているケースが少なくありません。粗食の時代は低タンパク質食だったので、肉類からタンパク質の摂取が勧められていました。しかし、現代は普通に食事を摂っていれば極端にタンパク質が不足するリスクはほとんどないんです」

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、日本人のタンパク質摂取の推奨量は18~64歳の男性で1日あたり65g、18歳以上の女性で50gとある。この量を超えてタンパク質を摂っている人々が抱えるリスクとは?

「タンパク質には“窒素”が含まれており、それらは腸の中で発がん性物質のアンモニアに変わってしまうんです。体内に入った窒素は肝臓で尿素窒素という成分に変えられ、腎臓を通って体外に排出する“窒素代謝”が行われます。タンパク質を摂りすぎると窒素代謝の頻度が増えて、肝臓と腎臓に大きな負担がかかってしまうのです」

 ちなみに、空気に含まれる窒素は無機窒素であるため体内に取り込まれないので問題はないとのこと。何事も“過ぎたるは及ばざるがごとし”だ。