鈴木俊宏社長は、将来的なスズキのクルマについて、「生活に密着したモビリティを目指す。『こんなクルマが欲しかった』『本当にそれが必要なんですか?』と、お客さまが求める必要最小限の次世代車をつくることがスズキの使命であり、『着飾る必要はないよね』というクルマの使い方を提案していく」と語った。

 スズキの社是・行動理念である“小・少・軽・短・美”に原点回帰し、「チームスズキとして全員参加、全員最適により目標に向かいチャレンジしていく」ことを強調した。

 今回スズキが発表した技術戦略とは、スズキなりのCN実現への取り組みとして、さらなる軽量化へあえて挑戦すると同時に、電動化やSDVについても最小限で適切なもので構成していくというものだ。

 加えて、ICE(内燃機関)で高効率エンジンの技術を軽自動車から小型車のエンジンに水平展開するほか、圧倒的なシェアを誇るインドではバイオガス燃料の実用化も進める。すなわち、マルチパスウェイ(全方位)戦略にもつながる意欲的な内容なのだ。

 スズキは、今回の10年先を見据えた技術戦略説明会をわざわざ午前と午後の2部構成で展開するほど力を入れていた。

 筆者は説明会終了直後に、「なぜ、あえてこのタイミングで技術戦略を発表したのですか」と、鈴木俊宏社長を直撃した。