どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。最短出世中・現役メガバンカーのたこす氏による「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から「こんな本が30年前に欲しかった」「今までにない知恵がつく」「上司には絶対に見せられない」と話題沸騰中である。今回はその中から「出世する人の共通点」についてお伝えする。(取材・構成=ダイヤモンド社・榛村光哲)
出世するためには「社内文書作成スキル」は必須
「銀行の常識は世間の非常識」とよく言われますが、銀行内で多用されるビジネス文書も独特なものが多いです。
銀行の営業マンがお客さまに最も多く提供するソリューションの一つが融資です。お客さんがビジネスをする上では先立つものが必要です。僕たち銀行員はその先立つものを貸し出し(融資)と言う形で提供しています。融資金額はまちまちで、新人や若手が取り扱う金額は1,000万円くらいからですが、大企業のお客さんを担当するとその規模は数百億円程度まで大きくなってきます。
金額の大小に関わらず営業マンにとって必要なことは、稟議書(社内文書)で決裁を得ることです。僕たち銀行員は、単純な口約束だけでお客さんにお金を貸すことはできず、しっかりと稟議書を支社長または本部の審査部へ回覧し、承認を得る必要があります。
この稟議書が書けないと、当然お客さんには1円も貸すことは出来ないので、銀行の営業マンは一定の社内文書作成スキルが要求されます。しかし、ここで絶対に書いてはいけないことというのが存在します。