リアルな画像はインプットを妨げる
シンプルな模式図のほうが効果的

 ワーキングメモリーに無駄な負荷をかけてしまいかねないのは、字幕だけではありません。

 例えば、学習動画に内容とは無関係なかわいいキャラクターなどが使われていることもありますが、これも逆効果です。

 関係ないキャラクターにワーキングメモリーが使われてしまって、理解度が落ちてしまいかねないからです。

 また、内容と関連していることであっても、インプットの妨げになることがあります。

 例えば、カブトムシの生態を学ぶためにYouTube動画でインプットしようとしたとしましょう。

 芋虫が蛹になって成虫になる「変態」のプロセスが、音声で説明され、それと同時に、ものすごくリアルな8Kで撮ったカブトムシのドアップ映像が流れるとします。

 そんな動画であれば、カブトムシのリアルな映像でイメージが湧きやすくなり、学習効果が上がるように感じますが、しかし実は、これも逆効果なのです。

 カブトムシのリアルな映像よりも、図式化したシンプルな画像を使うほうが、学習効果が高い、という研究結果があります。

 図式化したシンプルな画像は、インプットすべき詳細に焦点を当てて、その説明に重要な点だけを抜き出しています。