まず、「グーグル効果」(Google effect)を押さえておきましょう。

 何かを「ググって」調べたとき、その内容はいつでもまた「ググれる」。そう思ってしまうと、調べたものを記憶しようとする気持ちがなくなってしまい、結果としてせっかく調べたことが記憶に定着しません。

 こうした現象は「グーグル効果」と呼ばれてきました。「グーグルでいつでも調べられるからいいや」と思って記憶に留まりにくくなるというわけです。

【スクショ記録】や【GPT要約】に要注意
メモとの併用でインプット効果アップ

 同様に、「完全にスクショで記録した」「GPTでいつでも手軽に内容を見返すことができる」と思うことで、学んだ内容を記憶するモチベーションが下がってしまう可能性があります。

【スクショ記録】や【GPT要約】の「グーグル効果」には、十分な注意が必要です。

 より根本的には、【スクショ記録】や【GPT要約】は、注意して使わないと、インプットする内容に対する脳のエンゲージメントを奪ってしまいかねません。

 しっかりと理解して記憶に留めておくためには、インプットする内容を自分の脳で咀嚼することが必要であるのに、ワンクリックで情報が記録されてしまうと頭を使う必要がありません。

 一方で、メモやノートをとることは、記録を残しておくこと以上に、学んだ内容をしっかりと頭に入れて脳を動かす働きがあり、効果的なインプットには欠かすことができないのです。

 にもかかわらず、【スクショ記録】や【GPT要約】をすると、つい安心してしまい、メモやノートをとらないことがしばしばあります。そのことで、私たちは自分の脳のゴールデンタイムを逸してしまっています。

YouTube動画で勉強する時に「逆効果」になるNG手法とは?『脳が一生忘れないインプット術』(星友啓、あさ出版)

 もちろん、【スクショ記録】や【GPT要約】を、記録用に使うこと自体は全く悪いことではありません。

 例えば、後々になって一度インプットした情報にアクセスしたいとき、スクショや要約がデジタルに残っていれば、簡単に検索できたりもするでしょう。膨大な関連情報の中から、全て人力で目を通して探すのは骨が折れます。

 しかし、【スクショ記録】や【GPT要約】を使った場合や、もともと録画や写真などで学んだ内容の記録がある場合でも、脳をエンゲージする手軽な方法としてノートをとる習慣は併用するほうがいいでしょう。