「隣人ガチャ」に外れた家族の悲惨、モスキート音攻撃で救急車出動…法律に頼るしかないのか?「隣人ガチャ」に外れてしまったら、悲惨のひとことだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

子どもの遊ぶ声や泣き声は騒音なのか否か。人口密度の高い日本ゆえの問題なのかもしれないが、いつの時代もたびたび話題になる。騒音に悩まされる側、クレームを入れられる側双方が「隣人ガチャに外れた」と思っているであろうこの問題について、改めて検討したい。(フリーライター 武藤弘樹)

隣家からのあり得ない「報復」
議論を巻き起こしたご近所トラブル

 庭でプール遊びをしていた家族が、隣家からの警告・報復の意味を込めて流された大音量のモスキート音によって体調不良に陥り、救急車を呼ぶに至った件が物議を醸している。これは、都民ファーストの会の尾島紘平氏が、Xに投稿したエピソードだ。

 この件はただのご近所トラブルとしてではなく、「子どもが発する騒音を含めて、社会は子どもとどう向き合っていくか」という大きなテーマを含む問題としても取り扱われて、至るところで議論が交わされている。

 そしてこれをきっかけに、「今こそ地域や社会全体での子育て、あるいは子どもへの寛容さを」と改めて呼びかけられもしている。

 私個人は、自分の子を地域で温かく見守ってもらいながら子育てをすることができている。ご近所さんに恵まれただけの幸運と言えないこともないのだが、「地域・社会での子育て」にどれだけの現実味があるのか、またそれにはどういった要素が必要なのかについて、 この立場を通してこそ見えた部分もあったので、それをシェアしていきたい。