環境省が掲げる環境基準では(2車線以上の道路に面していない)住宅地だと昼間55dB以下・夜間45dB以下となっている。隣人の騒音に法が適用されるなら参考にされるガイドラインだが、これ自体が何か決定力を持つ数字ではない。

 つまり「程度問題」の塊のようなモスキート音騒動は、現行の法律で解決するのは難しい。もしこうしたトラブルに法による解決を期待するなら、「●●dBを1日▲▲時間、居室で測定したら、騒音認定で罰金刑」といった、具体的な数字を用いて明確な基準を示す新たな法の策定を待たねばなるまい。

 当人が法律に頼らず、自力で解決に導いたケースもある。KGという名のライター/エディター/ディレクターさんがnoteに投稿した記事で、そちらによると、色々やってみた結果てきめんに効果があったのは、道路族ファミリーへの手紙の直接投函だったとのことで、対立姿勢にならないよう、下からお願いする体で書いたのがよかったらしい。興味がある方には一読を勧めたい。

 常識から逸脱していると思われる相手でも、言葉の選び方を工夫すれば理解や改心を促せる可能性があるようである。

【参考】
道路族問題を解決しました(解決のために私がやったこと)
https://note.com/kg_no_note/n/nbbebcc634a31

「隣人ガチャ」に成功するには
環境任せではいけない理由

 地域の子育ては、その地域によって難易度が変わるはずである。筆者はご近所さんにとにかく恵まれた。場所は都心近郊の住宅地で、高齢者の割合が多い。その人たちは筆者宅の娘を我が孫のようにかわいがってくれ、日々「娘ちゃんへ」ということでぬいぐるみやらお菓子やらをたくさんもらって過ごした。

 娘がゲームやYouTubeなどのインドア遊戯を覚えるまではよく庭で遊んでいた。今思うと、形としては道路族的と言えなくもなかったのだが、道路族となり得なかったのは、ご近所さん方が娘をかわいがってくれたからである。道路族は騒音などが問題視されてそうなるのであって、そもそも問題視されなければ生まれない。